「何キロでも出せる?」 アウトバーンで「速度無制限」見直しの動き… 誇りかエコか試されるドイツ
高速道路の制限速度、世界の主流は?
クルマに関わる重大事故の多くは、過剰な速度に起因しているものとされており、速度を抑制することで痛ましい事故を防げる可能性が高くなります。
その一方で、制限速度の引き上げによって移動時間が短縮することで得られる経済効果は計り知れません。
日本をはじめとする多くの国では、脱炭素化の促進と重大事故の抑制、移動時間の短縮による経済効果などを総合的に勘案した結果、高速道路の制限速度は120km/h前後となっている例が多いようです。
一般的に、人や荷物を最大限まで乗せた状態であったり、勾配のある道路であったりした場合に120km/h前後で安定して走行するためには、180km/h程度の最高速度を持つ用に設計される必要があると言われています。
実際に、日本車の多くは180km/hでリミッターが作動するように設計されており、250km/hでリミッターが作動することの多いドイツ車(欧州車)よりも低い数値となっています。
ただしボルボでは、今後世界で販売するすべてのモデルで最高速度を180km/hに制限することを明らかにしています。
また前述のように、多くのユーザーがある程度抑えた速度域で走行していることを考えると、速度制限を設けることによるユーザーの直接的なデメリットもそれほどないようです。
しかし、合理的な判断を得意とするといわれるドイツの人々でさえ、速度無制限区間を持つアウトバーンに対する想いは強く、速度制限を設けることで得られる脱炭素化や重大事故の抑制といった直接的なメリットをとるかどうかの判断には頭を悩ませているのが実情のようです。
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ドイツとは対照的に日本の高速道路では、近年になって制限速度を引き上げる例が少なくありません。
長らく100km/hを制限速度としていた日本の高速道路ですが、2019年3月1日より新東名高速道路および東北自動車道の一部区間で制限速度が120km/hへと引き上げられ、その後、ほかの区間でも制限速度の引き上げがおこなわれています。
クルマそのものの技術の向上や、道路環境の整備が進んだことがその背景として挙げられており、現在のところ制限速度を引き上げたことによって違反や事故が顕著に増えたということはないようです。
ただ、制限速度を120km/h以上に引き上げるという具体的な話はなく、ドイツのような議論が起こることはなさそうです。
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