「エンジンオイル交換」サボっちゃだめ? 放ったらかすと内部で何が起きるのか
走行距離が少なければ交換しなくていい? プロの回答は
――走行距離が少なければエンジンオイルは交換しなくても良いのでは
いえ、エンジンオイルは密閉状態で保管しない限り劣化してしまいます。
エンジンというのは結構隙間がある物で、オイルパン内のエンジンオイルは普段から空気に触れています。その空気の中には水分も含まれており、内部で結露した水滴をエンジンオイルが吸収してしまうのです。これは最低限度の潤滑性を保つためにおきる乳化現象で、特に長期間に渡って交換されていないエンジンオイルにみられるものです。
――エンジンオイル交換の目安はどの様にして決まっているのですか
エンジンオイルの交換頻度は整備工場の売り上げにも関係していますが、だからといって極端に短く設定しているわけではありません。
自動車にはシビアコンディションによって劣化スピードが早まるという考え方があり、日本の湿度の高い気候や短距離走行の多さなどがこれに該当します。特に冬場に短距離走行をするとオイルパン付近で結露が発生しやすく、また燃焼時に発生する水蒸気も加わることで水滴が増えます。
こういった日本国内での使用状況や整備施設の多さも考えれば、やや短いスパンで交換したほうが良いと思われます。もちろん各自動車メーカーが推奨する交換サイクルでも問題ありませんし、サーキットで全開走行した場合は1日で交換という特殊な条件もありますので、最後は使用者の判断で交換サイクルは決まります。
――オイルエレメントの交換サイクルはエンジンオイルの交換頻度で左右されますか
いいえ。オイルエレメントはフィルターの目詰まりの具合を予想して交換するので、単純にエンジンオイルの交換頻度に合わせられるものではありません。
実はオイルエレメントのフィルターはオイル内を浮遊する不純物に対して目が粗く、最初は大きな粒子のみを吸着します。やがてフィルターが不純物を吸着して目詰まりを起こすことで目が細かくなり、より小さな微粒子を吸着できるようになるわけです。
そのためエンジンオイル交換2回=オイルエレメント交換1回交換、というのはおおよその目安です。
厳密には走行距離や使用状況によって汚れの量は変わりますので。特に慣らし運転をした新車や、フラッシングを行ってエンジン内部に固着したスラッジ汚れを大量に落とした場合は、その汚れはオイルエレメントで回収されますので、エンジンオイル交換1回目で同時にエレメント交換となります。
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クルマにおいてエンジンオイルはただの潤滑油ではなく、走行性能をも左右する重要なものです。
摩擦の低減というのは言葉にするのは簡単ですが、シリンダー内の高温高圧の燃焼に耐えなければエンジンオイルは役に立ちません。
エンジンオイルの性能というのは、エンジンの高出力・高効率を両立する為には欠かせないものとなっています。
より長寿命化への性能向上も図られていますが、走行する限りエンジンオイルの劣化は止められません。よって適切な時期にエンジンオイル交換をする必要があります。
とは言ってもセルフでの給油が増えた昨今。自分から走行距離に応じてオイル交換を頼むドライバーは以前より減っているんじゃないかと。昔ほどスタンドも積極的じゃないですからね。
車検前に車を買い替えてるブルジョアな人は3年ほど年式が落ちているだけで高く売れると考えているだろうけど、エンジン内が酷かったら買取業者や次のオーナーが可愛そうですね。