トヨタ高級ミニバンの「アルヴェル格差」なぜできた? 爆裂人気「アルファード」受注停止後の展開にも注目!?
トヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」は、外観などで差別化された姉妹車であり、同社を代表する高級ミニバンです。しかし、いつの間にかヴェルファイアは影の薄いモデルとなっています。これまで、どのような経緯をたどってきたのでしょうか。
前身「アルファードV」改め、キャラ付けされた「ヴェルファイア」
トヨタの高級ミニバン「アルファード」は、現行モデルが2015年に登場。高価格帯の車種であるにもかかわらず、販売ランキング上位に居続けたトヨタを代表するミニバンのひとつです。
しかし一方で、かつて人気を博したもののいまや影に隠れた存在となっていまった姉妹車「ヴェルファイア」が存在します。両車はどのタイミングで差がついたのでしょうか。
アルファードは初代モデルが2002年に登場。初代はトヨタのチャネル(販売店)ごとに売り分ける目的で「アルファードG」「アルファードV」と名付けられていました。
2代目へフルモデルチェンジしたタイミングで、これらの車名にある変化が起きます。トヨペット店向けがアルファードGから「アルファード」となる一方、ネッツ店向けがアルファードVから「ヴェルファイア」と車名が変わり、姉妹車として外観も大きく差別化されることになったのです。
両車の違いについて、アルファードは“上品かつ洗練されたデザイン”を、ヴェルファイアは“力強く先進的なデザイン”を追求したと説明しています。
現行型となる3代目(ヴェルファイアとしては2代目)では、どのようになったのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会の登録車年間販売台数ランキング(暦年)を見ると、登場年となる2015年、そして2016年、2017年は両車ともにトップ30位以内をキープするものの、ヴェルファイアの方がやや上回る結果となっていました。
潮目が変化したのは、2017年のマイナーチェンジです。このとき、両車のフロントフェイスが刷新され、とくにアルファードは正常進化といえる、堂々とした雰囲気をさらに強調した顔つきとなりました。
これが奏功したのか、2018年に両車の順位は逆転。
さらに2020年にトヨタの各販売チャネルが事実上統合され、全トヨタ店舗で全トヨタ車が購入できるよう改められました。これも、歴史の長さで劣るヴェルファイアに逆風となったのか、2020年はアルファードが順位を上げていくのに対しヴェルファイアはトップ30位圏外となり、2021年にはトップ50位圏外にまで販売台数が落ちています。
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2022年10月時点で、ヴェルファイアは特別仕様車1仕様のみラインナップされ、事実上“アルファードの一グレード状態”ともいえる状態です。
その一方、アルファードおよびヴェルファイアは将来の改良を見越して受注停止する状況が続いており、今後の動きが注目されます。
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