「木製ハンドル」見なくなったのなぜ? 昔定番も豪華さアピールに変化!? でも現代は減った理由とは

ニーズだけじゃない? トレンド的要素もあった?

 さらに、マツダの広報担当者は、デザイン的な視点も指摘しており「ステアリングやシフトノブで使える本杢(ほんもく)は、クリアでテカテカに塗装されてしまうので、近年のモダナイズされた本杢やインサート加飾とはひとつの空間に共有できなくなってしまいました」といいます。

 通常、木材を活用したステアリングやシフトノブは、ひび割れなどの予防や一定品質の確保、劣化や事故の際の飛散防止のために表面がクリア加工されています。

 そのため、質感は木板のようなマットなものではなく、マツダの広報担当者が説明するように艶やかなものとなります。

 テカテカしたステアリングやシフトノブは、デザインの観点から、最近のクルマに多く見られるマットでシックな質感の内装とは相性が合いにくくなっているというのが実情です。

 さらに、マツダの担当者は次のように説明を続けます。

「かつては、インパネもシフトパネルもドアトリムも、いたるところがテカテカ塗装されていたので、結果的にウッドステアリングとも相性が良く、高級感も感じられていました。

 ウッドステアリングのクリア加工は手との摩擦係数に直接関わる表面処理なので廃止することは難しく、デジタルデバイスが増えつつあるクルマの内装のなかに、テカテカした質感のステアリングの復活は困難だと思われます」

ホンダ「シビック RS」には木製ステアリング&シフトノブ、木製パネルが採用されたいた
ホンダ「シビック RS」には木製ステアリング&シフトノブ、木製パネルが採用されたいた

 またホンダの広報担当者は、ウッドステアリングが減った理由として「木材のコストが高いことも要因のひとつ」と話しますが、それ以上に「トレンドが関係している」といいます。

「ウッド調ステアリングの強度・耐久性に関してはどの仕様も同等の品質を保証しておりますが、それ以上に現在の時代の流れとしてウッド調が流行っていないのがおもな理由です。

 今後の流行によってはウッド調またはそれに代わる加飾なども提案する可能性はあるかと思います」

※ ※ ※

 このように、ウッドステアリングが減少した背景には、クルマの進化にウッドステアリングの性能が追いつかなかったことや、デザイン、コスト、現代のトレンドなどさまざまな要因が関係しています。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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