悪質自転車に「レッドカード!」 取締強化される“交通違反”は 「車両である意識を持って」と警鐘 警視庁に聞いた

2022年10月中旬、警視庁は自転車の悪質運転について交通取り締まりを強化することを明らかにしました。具体的にどういった経緯があったのでしょうか。

自転車に「赤切符!」警視庁が踏み切った「経緯」は

 2022年10月中旬、警視庁は自転車による交通違反の取り締まりを強化し、かつて警告で済んでいた交通違反にも告知票、いわゆる「赤切符」を交付する方針であることを明らかにしました。

これにはどういった経緯があるのでしょうか。また具体的にどんな交通違反の取り締まりが強化されるのでしょうか。

ついに都内で自転車の「交通取り締まり」強化へ (画像はイメージ)
ついに都内で自転車の「交通取り締まり」強化へ (画像はイメージ)

 警視庁が公表している交通事故のデータによると、2021年に東京都内で発生した交通事故2万7598件のうち、自転車が関与している事故は43.6%にあたる1万2035件となっています。

 また2021年に都内で発生した自転車が関与する交通死亡事故は18件で、そのうち16件が信号無視や交差点安全進行義務違反、指定場所一時不停止など何らかの違反があったことが判明しています。

 このように、2021年1年間だけでも自転車が関与する事故は4割を占めており、死亡事故も発生していることが分かります。

 コロナ禍の影響でデリバリーサービスが普及するなど、自転車を利用する人が増加傾向にあり、それに呼応するように交通事故や危険運転も多発している状態といえます。

 警視庁はこれまでも自転車の交通取り締まりをおこなっており、すでに過去には赤切符交付で検挙している事例もありましたが、今回なぜ取り締まり強化に至ったのでしょうか。

 これについて、警視庁の担当者は以下のように話します。

「自転車の指導取り締まりは、これまでも推進していましたが、最近の交通事故実態やさまざまな取り締まり要望を受け、重大交通事故に直結する『赤信号無視』『一時不停止』『右側通行』や『歩道通行』などの交通違反について、より重点を置いた指導取締りを推進することとしました」

 道路交通法では、自転車運転時の悪質とみなされる15種類の危険行為が定められていますが、今回の方針ではなかでも重大事故につながる可能性のある悪質な4つの危険行為について、取り締まりが強化されます。

 では自転車で赤切符を切られたらどうなるのでしょうか。

 自転車の交通取り締まりは、指導警告票で注意を受けるか、赤切符で検挙されるかの2パターンです。

 指導警告の場合は、警察官から違反の日時、場所、違反内容などが記載された指導警告票を渡され、注意を受けます。

 一方で赤切符は悪質、危険性のある運転など重大な交通違反をおこなった際に交付されるもので、刑事罰の対象となり、懲役刑や罰金刑などの前科がつく可能性があります。

 さらに3年以内に2回以上、赤切符を交付されたり、自転車で交通事故を起こして送致されたりした場合は、自転車運転者講習を受けなければなりません。

 この講習は時間や手数料がかかるほか、受講命令に従わなかった場合に5万円以下の罰金に処される可能性もあります。

※ ※ ※

 前出の警視庁の担当者は、自転車を運転する時の注意点について以下のように呼びかけています。

「自転車は、道路交通法では軽車両に位置づけられています。

  道路を通行するときは、『車両』であることの意識を持って、交通ルール・マナーの遵守に努めていただき、安全運転の励行をお願いします」

 今回は警視庁が取締強化するとのことですが、今後全国的に自転車の悪質運転が取り締まりが展開されることが期待されます。

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