トヨタ新型「クラウン ターボ」が凄い! 大変革「クロスオーバー」の大本命! 走り特化「2.4Lターボ」を最速試乗!

期待値高めだが…実際に乗ったらどうだったのか?

 走り始めはTHSIIよりも電動車感が強めです。

 バッテリー残量が多い時はEV走行も積極的におこなううえに、アクセルを更に踏んでいってもエンジンはなかなか始動しない粘り強さも持っています。

 この辺りはセル数を増やしたバッテリーが効いているのでしょう。

 エンジン始動時も非常に滑らかで気が付きにくいだけでなく、始動時のエンジン回転上昇もTHSIIよりも抑えられているので、静→動のギャップにガッカリすることもありません。

 ちなみにトルコンレスのATは発進時や微速域でギクシャクすることが多いですが、新型クラウンのそれは実によく制御されており、今回の試乗で気になることはほぼなかったです。

 そのままアクセルをグーっと踏み込んでいくと、これまでのTHSIIにはなかったアクセルとエンジンの直結感とターボの過給遅れのない応答性の高さ、そして高回転までストレスなく回るスッキリとしたフィーリング。

 加えて、トルコンレス6ATのキレの良さと小気味良さも相まって、ハイブリッドというよりも、「非常に良くできた内燃機関」と呼びたくなるくらいの気持ち良さを感じます。

 なかには「ATの多段化がトレンドなのに、今時6速ATなんて……」と思う人もいるでしょうが、デュアルブースト化で各ギア段のカバーレンジが広くなっているため全く問題なく、むしろビジーシフトしないのでドライバビリティも高いと思います。

 ただ、1つ残念なのは2.5リッター-THSIIよりかなり抑えられてはいるものの“濁音”の多いエンジン音です。

 恐らく、ほかの部分の静粛性が高さから相対的に目立ってしまっているのでしょう。

 恐らく、高効率エンジン特有の高周波の共鳴が原因だと思うので、何らかの減衰機構で吸収、もしくはASCなどを活用した音質改善などを期待したいところです。

 システム出力は349psで1920キログラムの車両重量ながら「速い」と思えるパフォーマンスに加えて、システムの強みである応答性/ダイレクト感の高さなどから、体感的には先代のフラッグシップであるV6-3.5リッター+マルチステージハイブリッドを超えていると感じました。

 気になる燃費ですが、開発陣が「走り重視です」と語っているように、WLTCモードは2.5リッター+THSIIの22.4km/Lに対して15.7km/Lとそれほど良くないです。

 ただ、実際に走らせてみたところ、ワインディングはともかくバイパスのような道での定常走行は20km/L前後だったので、実燃費は想像しているよりは良いと予測しています。

ワインディングでは「意のままに曲がる!?」 私…もしかして運転上手くなった?
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 では、フットワークはどうでしょうか。

 2.5リッター+THSIIとの違いは、サスペンションセッティング(新摺動構造採用のAVS)とアルミホイール(剛性だけでなくしなやかさを持たせた構造)、更にはリアモーターの使い方でしょう。

 THSIIはスリップしたらリアを駆動させるオンデマンド方式ですが、デュアルブーストハイブリッドは「常時AWD」になります。

 つまり、e-Axleは連続使用されるため、熱対策のために水冷の冷却系が採用されています。

 ステア系は初期応用の良さ、雑味要素が少ない滑らかな操舵感、路面からの情報の豊かさ(=直結感が高い)は2.5リッター+THSIIと同様ですが、操舵力は若干重めになっています。

 ハンドリングは2.5リッター-THSIIモデル以上に駆動方式の概念が変わる走りです。コーナー進入時は4WDの安定感を持ちながらも抵抗感の少ない操舵感は、レクサス以上にスッキリ。

 コーナリングの最中は横置きFFレイアウト特有のフロントを中心に旋回するのではなく、まるで重量配分が整った縦置きFRのように旋回軸がドライバーの近くにある感覚は2.5リッター+THSII以上に強いです。

 とくにリアに荷重をシッカリと乗せながら曲がっていく旋回姿勢はFRよりもFRっぽいと感じるレベルで、ワイディングなどではパワートレインのレスポンスの良さも相まってステアリングだけでなくアクセルコントロールで曲げることも可能。

 そして、コーナー脱出時にアクセルをグッと踏み込んだときは4WDの安定感を損なわずにFRのようなリアタイヤの蹴り出しが実感できるトラクションを持っています。

 このように走行シーンに応じて駆動方式がシームレスかつアクティブに変化するのが大きな特徴です。これらはリアに大きな駆動力を伝えられるeAxleに加えて、四輪操舵(DRS)やACA(アクティブコーナリングアシスト)の相乗効果によるものです。

 しかし、これらのデバイスは主張することなくあくまでも裏方として働いています。

 その結果、意のままの走りが可能で、初・中級ドライバーは「私、運転が上手くなった?」、上級ドライバーは「コントロールがしやすいね」と感じてもらえるはずです。

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