なぜスバル車は「青」がイメージされる? 始まりは「空」だった!? 青を纏う理由とは
現在のWRブルーは2代目
株式会社SUBARU 商品企画本部 デザイン部 雲野裕紀さんにWRブルーについて聞いてみました。
「スバルの前身は中島飛行機ですので、やはり空にかける想い、星空に想う気持ちが大きいと思います。
そしてスバルのなかにもさまざまなブルーがあり、各車両のコンセプトに合わせ『洗練・上質のブルー』『ワクワクのブルー』『スポーツブルー』と大きく3つ分け、ボディカラーを開発しています。
スポーツブルーはモータースポーツに直結しています。WRCに参戦しているラリー車と量産車が同じWRブルーを纏っていたことも大きいと思います」
空や星空の青が背景にあり、さらにモータースポーツのイメージが強いのではないかといいます。

2000年に登場した2代目インプレッサからWRブルーは正式にカラーバリエーションへ加わり、その後14年間、人気を維持して、インプレッサをはじめとするスバルのスポーツカーを牽引するカラーとなりました。
しかし、どんなに人気があり普遍的であったとしても、変化をしていく必要はあります。
そこには時代背景やユーザーの年齢層、塗料の進化、車両とのマッチング、他メーカーとの差別化など、理由はさまざまにあります。
特にハイブリッド車やEVなどエコカーについては、「電気」「クリーン」といったイメージを持たせることからか、各社でブルー系のボディカラーやアクセントカラーを採用することが多くなりました。長年WRブルーでイメージを作り上げてきたスバルとしても、ブルーで埋没するわけにはいきません。
そこでWRブルーは、より進化したひと目でスバルのWRブルーと分かるものへとリニューアルされました。それが2014年に登場した「WRX STI」(VAB型)に採用された、「WRブルー・パール」です
より深みのあるブルーとなり、上述のWRX STIのほか、「BRZ」にもラインナップされました。特にBRZは、スーパーGTに参戦している「BRZ GT300」にも同じカラーが使われており、昔のWRCの時代と同じようにモータースポーツと直結するイメージを作り上げています。
そして次なるWRブルーの研究も進められているといいます。それは2020年に「東京オートサロン」で展示された「WRX S4」やBRZに見られた「ギャラクティックWRブルーメタリック」です。
量産車にはまだ採用されていませんが、現在スーパーGTに参戦している新型BRZ GT300にはこのギャラクティックWRブルーが塗布されており、深みのあるブルーのなかに輝きのあるカラーとなっています。
なおギャラクティックWRブルーは、量産車に使用したときの見え方の研究などにも活用されているといい、次なるWRブルーはどのような色になるのか非常に楽しみです。
Writer: 雪岡直樹
1974年東京生まれ。フォトスタジオアシスタントを経てフリーランスのフォトグラファーへ。雑誌やWeb媒体の撮影を担当。自動車雑誌の撮影と並行してユーザーインタビューやイベントレポートを担当することで、ライターとしても活動。国内最高峰のレース「SUPER GT選手権」を長年取材。新車情報やレースレポート、イベントレポートなどを雑誌やWebに寄稿する。










































