全長5.3mの「タフ顔」ピックアップトラックが「飛ぶ!」 名門チーム名復活の三菱がアジアクロスカントリーラリー参戦へ
三菱車が理想とする走行性能の究極系が「ラリー」の走りだった
チーム三菱ラリーアート総監督の増岡 浩氏は、ラリーに参戦する意義について次のように話します。
「我々三菱が力を入れているSUVやピックアップトラックは、どんな状況下でも“家族を守る”ことを第一に考えています。例えばドカ雪やゲリラ豪雨、台風といった悪条件のなかでも確実で安全に走る実用性です。
そしてその厳しい走りの最たるものは、どんな路面でも速く走る“ラリー”なんです」
増岡氏は、いま三菱車が最も数多く売れているというタイでその力強い走りをアピールし、ラリーアートブランドとともに、三菱車の知名度の拡大や商品力の強化につなげていきたいとします。
気になるのは、日本でのラリーアートの次なる展開です。
前出のとおり、国内では現在、「アウトランダーPHEV」「エクリプスクロス」「RVR」「デリカD:5」 の4モデルに向けた純正アクセサリーの販売を行っています。
ただし2022年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2022」で三菱は、新しいラリーアートのイメージを伝えるコンセプトカー「VISION RALLIART CONCEPT(ヴィジョン ラリーアート コンセプト)」を発表しています。
新型アウトランダーPHEVがベースのコンセプトカーですが、ヴィジョン ラリーアートの名のとおり、将来のラリーアート像を示唆するモデルです。
マットブラックの塗装や22インチの極太タイヤを収めるワイドフェンダーなどで再構築され、独自の凄味を放っていました。
増岡氏も「目指している理想像は、最初から“これでどうぞ”と提案できる理想のラリーアート コンプリートカー(内外装をカスタマイズした完成車)です」といいます。
とはいえ、まだなにも明確に語ることができることはないといいますが、いずれにせよ増岡氏のなかでは明確な将来構想があるようです。
「実現までにはまだまだ時間はいただきたいですが、最終的にはそこを着地点としたいと考えています。
今は生まれたばかりですので、まずは小さく生んで大きく育てていきたい」とし、今後の進捗を見守っていて欲しいと語りました。
いつか近い将来、ヴィジョン ラリーアート コンセプトを具現化したような市販車が誕生する日が来るのかもしれません。
※ ※ ※
ラリー参戦に向けデモ走行を行ったトライトンは、日本ではあまりなじみのないモデル名かもしれません。
しかし先代のトライトンはタイで生産されたモデルが輸入され、10年ほど前まで国内でも販売されていましたが、その後ブランクが続いている状態です。
今回お披露目された新型トライトンは、2018年にフルモデルチェンジ。タイをはじめとするアジア圏を中心に販売され、いまのところ日本国内では売られていません。
国内では現在、トヨタ「ハイラックス」が唯一の市販ピックアップトラックで、ライバル不在の状態となっています。
しかしこの9月、2023年度中の新型トライトン国内再導入が検討されているとの一部新聞報道が出たばかり。
2022年10月上旬現在も三菱からの公式発表はなく、その真偽のほども不明ですが、こちらもヴィジョン ラリーアート コンセプト同様に大いに期待したいところです。
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