トヨタ「新型高級SUV」発売! 620万円の最上級仕様「ハリアーPHEV」は「何km走れば」ガソリン車との差額回収可能? 魅力は外部給電も!
実際にどのくらい走ればいいの? HVやPHEVで差額を回収するためには、かなりの走行距離が必要
では、この差額を回収するためには、どれだけの距離を走る必要があるのでしょうか。
ハリアーのガソリン車とHV、PHEVのそれぞれの「Z(4WD仕様)」のWLTCモード燃費を見ると、ガソリン車が14.7km/L、HVが21.6km/L、PHEVが20.5km/Lとなっています。
ガソリン価格を160円/Lとすると、1万km走行するためのコストはガソリン車が約10万8844円、HVが約7万4074円、PHEVが約7万8049円です。
ガソリン車とHVで比べると、その差は約3万5000円となり、約46万円の差額を回収するためには、単純計算で13万km以上の走行が必要となります。
決して不可能とはいえない数字ですが、毎月1000km走行して10年以上の月日を要するため、日常的に走行するユーザーでなければかなり厳しいかもしれません。
次に、PHEVを見てみましょう。
ハリアーPHEVの場合、18.1kWhのバッテリーを搭載しており93kmのEV走行が可能です。そのため日常の買い物や送り迎え、通勤ではほとんどガソリンを消費することはなさそうです。
電気料金を27円/kWhとしたとき、ハリアーPHEVを満充電するのにかかる費用は約489円となります。
EV走行とHV走行の割合が1:1とすると、1万km走行するのにかかるコストは約6万5314円となり、ガソリン車と比べて約4万3000円、HVと比べて約9000円安い計算となります。
PHEVの場合、ガソリン車との差額を回収するためには約16万5000km、HVとの差額を回収するためには、約27万kmの走行が必要な計算となります。
ガソリン車とHVの場合よりもさらに距離は大きくなるため、差額を回収するための難易度はより高くなります。
今回のシミュレーションは、あくまで税制優遇と補助金を考慮した購入金額と燃費性能によるものであり、車検ごとに支払う自動車重量税や充電器の設置費用、整備費用などを計算に含めていません。
例えば利用のほとんどがEV走行で、なおかつ電気料金の低い深夜帯での充電がメインという場合であれば、ガソリン車やHVとの差額を回収できる可能性はより高くなると考えられます。
※ ※ ※
現時点では、HVやPHEVを選ぶことでガソリン車との差額を回収することは決して簡単ではないのが実情です。
一方、直接的なコスト以外にもHVやPHEVを選ぶメリットはあります。
またPHEVはレジャーやアウトドア、停電や災害などの非常時に外部給電(AC100V/1500W)が可能で、ハリアーに関しては2つの方法が存在。
「EV給電モード」では出かけ先で電気が使えるもので、エンジンをかけずにバッテリー残量だけを使って給電。「HV給電モード」では最初にバッテリー残量を使い所定値を下回るとエンジンがかかって給電します。
もうひとつのメリットは、ガソリンスタンドに行く機会が減ることです。
地域によっては、ガソリンスタンドまで給油しに行く手間というのは意外に負担になるものですが、HVやPHEVではその回数を減らすことができます。
とくにPHEVの場合、日常的な走行のほとんどをEV走行でまかなえた場合、ガソリンスタンドで給油するのは年に数回程度というケースもめずらしくありません。
そういった意味では、忙しいビジネスマンのように、時間に追われている人はHVやPHEVのメリットを感じやすいかもしれません。
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