長時間働くのに「稼げない…」は本当? 慢性化する「トラック運転手」不足! 労働環境は今後改善するのか

日本の物流を支えているトラック輸送。そうしたなかでトラック運転手の労働環境は度々問題となっています。俗に「労働時間は平均よりも長く、労働賃金は平均よりも安い」といわれますが、今後改善される余地はあるのでしょうか。

トラック運転手って稼げる?労働環境は過酷?

 日常生活を快適に送るうえで、さまざまな分野の物流を支えるトラック輸送は欠かせないインフラのひとつです。
 
 そんなトラック輸送には、当然トラック運転手の存在が必須となりますが、労働環境や待遇に関する問題が度々指摘され、「労働時間は平均よりも長く、労働賃金は平均よりも安い」といわれていますが、実際の状況はどのようなものなのでしょうか。

物流を支えるトラック運転手…その労働環境が改善される日はくるのか
物流を支えるトラック運転手…その労働環境が改善される日はくるのか

 厚生労働省の資料によると、トラック運転手の年間労働時間は、全産業平均と比較して長時間となっている傾向があるといいます。

 例えば、全産業平均年間労働時間が2021年では2112時間となっているのに対し、トラック運転手の年間労働時間は、大型トラックで2544時間、中小型トラックで2484時間です。

 全産業平均労働時間よりも、大型では約432時間、中小型では約372時間長くなっています。

 その一方で、トラック運転手は平均労働賃金が低く設定されている傾向があります。

 2021年の全産業における平均年間所得額は489万円であるのに対し、大型は463万円、中小型は431万円です。

 これは、全産業の平均的な所得額と比較しても、大型で約5%、中小型で約12%も低いということになります。

 このように長時間労働を強いられるにもかかわらず、労働賃金が低いことから、トラック運転手の人手は慢性的に不足しているのが実情です。

 総務省の労働力調査によると、2021年の運送事業に従事する就業者数の総数は約199万人となっており、そのうち運転業務などに関わる就業者数は約84万人です。

 全日本トラック協会の担当者は「トラック運転手の労働賃金や労働時間を鑑みても、トラック運転手が効率的に稼ぐことのできる職業であるとはいい難いのではないかと思います」と話しています。

 やはり、トラック運転手はいまだに労働条件が厳しく、通常の労働と比較しても重労働の傾向があり、効率的に稼ぐハードルは高いのかもしれません。

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