4000万円の高級車「車検100万円」は本当? 26年経過するベントレー「コンチネンタルR」の維持費はいくらなのか

「車検は100万円以上」は本当?コンチネンタルRの維持費の実際のところとは

「100万円はかかる」といわれてきた車検については、実際には法定費用を含めて20万から30万円程度でおさまっています。

 エンジンオイルやバッテリー、タイヤ、各種ホース類などは汎用品が問題なく適合するため「純正」にこだわらなければそれほど高額にはなりません。

 ちなみに当時のベントレーの場合、コスト面においても機能面においても「純正」にこだわるメリットはほとんどありません。

 また、ウィンカーフードなどの専用部品については、インターネット販売を利用して英国の専門店から輸入。こちらも、一般的な輸入車の部品と同様のコストでした。

 筆者の場合、車検は大手の自動車用品店に依頼していますが、上述のような方法で部品交換をおこなえば「100万円」に達することはまずありません。

 もちろん、お金に糸目を付けずにあらゆる場所を整備すれば、いくらでもお金がかけられるのは事実です。

 コンチネンタルRは工芸品というべき趣のあるクルマであるため、11層にもおよぶ塗装が施されたエクステリアや、最高級のバーウォールナットとコノリーレザーでしつらえられたインテリアを徹底して修復すれば、100万円どころではない金額をかけることができるのは事実です。

 しかし、「必ず100万円はかかる」というわけではないということは、実際に手に入れてみなければわからなかったことだと思います。

 車検以外での整備費用については、ほとんどかかっていないといっても過言ではありません。

「ピーコックブルー」のエクステリアカラーを持つ1996年式のベントレー「コンチネンタルR」
「ピーコックブルー」のエクステリアカラーを持つ1996年式のベントレー「コンチネンタルR」

 少なくとも「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本的な要素に関する重大なトラブルはなく、エアコンやオーディオなども好調です。

 ただ、当時のクルマに乗っている人なら想像がつくかもしれませんが、室内灯が付かなかったり、センサーの不調によってオイル量が正確に表示されなかったりという程度のマイナートラブルはそれなりにあります。

 そのため「このクルマ、壊れますか?」と聞かれたとき、相手が愛好家であれば「壊れません」と胸を張っていうことができます。

 しかし、そうでない人であれば「そこそこ調子が悪くなるときはありますが、走れなくなったりすることはありません」と答えるようにしています。

 ※ ※ ※

 イベントでコンチネンタルRを展示すると、訪れた人から「興味はあるのですが、維持費が心配で…」という声をよくいただきます。

 インターネット上を見ると「ベントレーはとにかくお金がかかるらしい」や「ベントレーに乗るならお金のことは気にしてはならない」という記述を見つけることはできますが、具体的な情報はあまり見られません。

 少なくとも、一般的なクルマよりもお金をかけることができるクルマであることは間違いありません。また、税金や保険料はかなり高額であることも事実です。

 ただ、車検や整備費用については、じゅうぶんな知識と工夫によって相応の金額とすることは可能といえます。

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