なぜトヨタ車が上位を独占?「ヤリス」「カローラ」はシリーズ合算!? 登録ランキングでトヨタが圧勝する2つの理由
乗用車の登録台数ランキングを見ると、トップ10はほぼトヨタ車が独占している状況です。なぜトヨタばかりがランキングの上位を占めているのでしょうか。
10位以内はトヨタ車がほとんど
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表する小型/普通車の販売(登録台数)ランキングの上位には、トヨタ車が多く並んでいます。
2022年上半期(1月から6月)の場合、1位が「ヤリス」、2位が「カローラ」、3位が「ルーミー」、5位が「ライズ」、7位が「アルファード」、8位が「アクア」と続き、4位の日産「ノート(ノートオーラを含む)」と6位のホンダ「フリード」を除くと、すべてトヨタ車が独占している状態です。
これには複数の理由と背景があります。まずトヨタ車には、シリーズ合計の登録台数を公表している車種があることです。
登録台数が1位のヤリスは、コンパクトカーのヤリスとSUVの「ヤリスクロス」、スポーツモデルの「GRヤリス」を合計した台数です。ヤリスの2022年上半期の1か月平均登録台数は約1万3600台ですが、この内の約6800台をヤリスクロスが占め、ヤリスは約6000台で残りがGRヤリスです。
ヤリスクロスの約6800台は、6位のフリードの約7300台を少し下まわり、仮にコンパクトカーのヤリスとSUVのヤリスクロスを別々に算出すれば、ヤリスは販売ランキングの1位になりません。
カローラは、セダンの「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」、ハッチバックの「カローラスポーツ」、SUVの「カローラクロス」に加え、継続生産されている先代の5ナンバーの「カローラアクシオ(セダン)/カローラフィールダー(ワゴン)」を合計した台数です。
カローラシリーズ全体の2022年上半期における1か月平均登録台数は、約1万1800台。ボディタイプ別の登録台数(1か月平均)がもっとも多いのはカローラクロスの約5300台で、次はカローラツーリングの約2300台でした。残りの約4200台をそれ以外のボディタイプが分け合っています。
カローラクロスの登録台数はアクアの約5700台を少し下まわっており、つまりカローラシリーズも登録台数をボディタイプ別に算出すると、販売ランキングの上位には入らないのです。
そして多くのユーザーにとって、ヤリスとヤリスクロス、カローラセダン/カローラツーリング/カローラクロスはそれぞれ別のクルマでしょう。購入時に比べる車種も、ヤリスならノートやフィット、ヤリスクロスならホンダ「ヴェゼル」や日産「キックス」が挙げられます。
この点も考えると、ヤリスが1位でカローラが2位という登録台数のランキング順位は、ユーザーがクルマを選ぶ時の参考にはなり得ません。
それならボディタイプ別に見た小型/普通車登録台数で1位になる車種は何かといえば、ルーミーです。
2022年上半期には、1か月平均で約1万900台を登録しました。このほかアルファード(2022年上半期の1か月平均は約5800台)、アクア(約5700台)も販売の好調なトヨタ車です。
つまりトヨタ車が販売ランキングの上位に多く入ることに変わりはないわけです。
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