「走る蓄電池」なら停電リスクに対処できる!? 「防災の日」に考えたいPHEVのメリットとは

クルマとしての魅力だけでなく「走る蓄電池」「走る発電機」になるというメリットも持つプラグインハイブリッド車(PHEV)。大容量バッテリーは、停電時にどれくらい役立つのでしょうか。

「走る蓄電池」「走る発電機」は災害時にも役立つ?

 9月1日は、災害についての認識を深めることを目的に制定されている「防災の日」です。

 台風シーズンになると停電のリスクが懸念されますが、トラブルに備える方法のひとつとして、プラグインハイブリッド車(PHEV)のような「走る蓄電池」「走る発電機」として使えるクルマを選ぶことが挙げられます。

 クルマは、災害対策としてどれくらい有効に使えるものなのでしょうか。

三菱「アウトランダーPHEV」
三菱「アウトランダーPHEV」

 一例として、現行の国産プラグインハイブリッド車のひとつである三菱(以下、三菱自動車)「アウトランダーPHEV」で見ていきます。

 現行モデルで2代目となるプラグインハイブリッドハイブリッドSUVですが、総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載。

 さらにガソリンタンクも56Lの容量を確保したことで、災害時にはエンジンによる発電も併用して電気を取り出すことができます。

 アウトランダーPHEVをガソリン満タンにしたとき、供給可能な電力量は一般家庭の消費電力の約10日分(最大)にのぼります。スマートフォンの充電なら約6660回に相当する電力です。

 車内にコンセントがあるので、スイッチひとつで最大出力1500Wの給電ができます。

 エンジンによる1回の充電所要時間は約95分(満充電付近まで)です。

 三菱自動車 製品開発本部 プロジェクト開発マネジメント部の野口泰彦氏は、ハイブリッド車やバッテリーEV(BEV)に対するプラグインハイブリッド車のメリットを次のように説明します。

「(プラグインハイブリッド車は)一般的なハイブリッド車よりもバッテリーが大きいので、給電時エンジンをかける必要がありません。

 一方ガソリンを使った発電も併用できるので、総合的な供給可能な電力量はBEVを上回ります。

 防災や給電という観点でも、ハイブリッド車とBEVの良いとこ取りを出来るのがPHEVなのです」

※ ※ ※

 クルマに蓄えた電気を家庭で使う「V2H(Vehicle to Home)」という仕組みがあります。

 V2H機器を導入する必要があるものの、この仕組みによってクルマの駆動用バッテリーの電気で自宅の家電を使うことが可能になります。

 アウトランダーPHEVはV2H対応車で、エンジンによる発電を組み合わせると一般家庭の約12日分を供給することができます(ガソリン満タンの場合、V2H機器自体の消費電力は含まない)。

※ ※ ※

 2020年度から2021年度にかけて、日本におけるプラグインハイブリッド車の販売台数は約160%に増加しているといいます(三菱自動車調べ)。

 車種数も増加傾向にあり、これから新車を購入するならプラグインハイブリッド車を検討車種に加えても良いかもしれません。

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