結局「EVは補助金ありき?」 各国でEV補助金終了ラッシュ! 日本市場も追従なるか

一部の国では補助金終了の動きが?

 そうしたなかで、一部の国ではEVの補助金政策を見直す動きが出はじめています。

 中国では、これまで続けてきた新エネ車への補助金を2022年をもって終了することを明らかにしています。

 また、英国では2022年6月14日をもって、EVやプラグイン・ハイブリッド車(PHV)に対する購入補助金を終了させています。

 現在ではこの両国を中心とする局所的な動きですが、今後ほかの国も追随する可能性もあり、EVをはじめとする電動車の普及に水を差す形となることが懸念されています。

 補助金政策が終了もしくは縮小される背景には、すでにEVなどの電動車が普及期に入ったことにあると説明されています。

 実際、2021年の中国におけるEVやPHV、燃料電池車(FCV)の合計販売台数は330万台を超え、全体のおよそ15.7%を占めていました。

 2022年には500万台を超えると見られており、想定を大きく超えるペースで電動化が進んでいるといいます。

 一方の英国も、2021年の新車販売台数におけるEVの比率が11.6%におよぶなど、順当に普及していることがうかがえます。

 また、欧米の自動車メーカーの多くが、小型で安価なEVを提供するようになったため、EV補助金に対するメリット自体が薄れていったという背景もあるようです。

 新しい製品の導入を促す際、補助金による支援は有効な政策といえます。

 ただ、補助金頼みの普及は本質的ではないとの批判も多く、適度なタイミングでの補助金終了は、補助金政策における大きな課題のひとつです。

 実際、中国や英国でもこれまで段階的に補助金の減額をおこなっており、そういった意味では突然の打ち切りではありません。

補助金以外にも充電インフラなどの課題も残るEV市場
補助金以外にも充電インフラなどの課題も残るEV市場

 日本の場合、ハイブリッド車比率は高いものの、補助金のおもな対象となるEVの普及率は先進諸国のなかでは低く、現時点では十分に普及しているとはいえない状態です。

 そのため、現状では補助金政策が終了もしくは縮小される可能性はそれほど高くはありません。

 しかし、中国や英国の動きを見ていると、近い将来日本でも同様の動きとなる見込みは高いといえるでしょう。

※ ※ ※

 サクラの販売好調などもあり、2022年度のCEV補助金は10月末頃をめどに申請受付を終了するとアナウンスされています。

 これまでのケースでは、翌年度の予算がさかのぼって適用されるため、今後購入するユーザーもCEV補助金は得られると見られます。

 しかしEVなどの電動車を購入を検討しているユーザーは、補助金については入念に確認しておくことをおすすめします。

 いずれにせよ、補助金は無限ではないということはEVやPHV、FCVの購入を検討する際には考慮しておく必要があります。

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