なぜ道路下から「発泡スチロール」出てきた? 大雨で浮いて話題に! 画期的な「道路の作り方」とは

地盤が軟弱な場所では、土やコンクリートの約100分の1の軽さである、発泡スチロールが軽量盛土として使用されています。発泡スチロールを盛土材料として使用する「EPS工法」とは、どういったものなのでしょうか。

EPS工法のメリットやデメリットは?

 一方で、前出の担当者は続けて以下のように話します。

「しかし、軽いが故のデメリットもあります。非常に軽い素材であるため、水に浮いてしまいます。

 通常の雨の場合は問題ないですが、ゲリラ豪雨など、予想外の雨が降り、道路が浸水し、隆起してしまった場合、発泡スチロールが強い力でコンクリートを押し上げて浮いてくるため、発泡スチロールがあらわになってしまいます」

 このような発泡スチロールのメリットでもある“軽さ”が仇となり、SNSで大きく話題となったような、豪雨による隆起が起こってしまいます。

 そのほかにも、発砲スチロールを軽量盛土として使うデメリットがあるようです。

「発泡スチロールは原油でできているため、“油に弱い”というのがデメリットです。

 もしEPS工法を施した道路上でクルマによる火災が発生した場合、道路が沈下し、ガソリンが発泡スチロールに触れてしまい、発泡スチロールが溶けるため、道路の中が空洞の状態になってしまいます。

 また、軽量盛土は可燃物の扱いになるため、炎にも弱いです。

 火種が直接発泡スチロールに触れてしまった場合、同じく溶けてしまいます」

実際に発泡スチロールを使ったEPS工法を導入した工事例(画像:鳥取県公式サイトより)
実際に発泡スチロールを使ったEPS工法を導入した工事例(画像:鳥取県公式サイトより)

 このように、発砲スチロールを軽量盛土に使うにはメリット・デメリットの両面があるため、地盤の特性に合わせた選択をする必要があります。

 しかし、EPS工法は、軟弱地盤対策工事や急傾斜地拡幅盛土工事、防振対策工事など、さまざまな用途で使われています。

 完成後の維持管理もしやすく、道路づくりに欠かせない工法のひとつとして、今でも活用されています。

 軽量で耐候性があり、耐震性にも優れている発泡スチロールは、日本に合った工法だといえるのかもしれません。

※ ※ ※

 実際に、2009年8月に発生した地震により、東名高速道路の路肩が崩落した事故では、地盤の軟弱性や盛土内に転石があることを考慮して、修復工事としてESP工法が用いられました。

 一晩で盛土を成功させたことからも、やはり、EPS工法の軽量性と施行性は十分であることが伺えます。

 デメリットはあるものの、軟弱な地盤の場合、その軽さを十分に生かせることから、メリット・デメリットを考慮したうえで利用され続けているのです。

【画像】これはすごい…! 道路の下に「発泡スチロール」 画期的な工事方法を見る!(14枚)

【買取査定】実績500万人超!車をお得に売却(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

1 2

【見逃し限定配信中】「自動車DXサミット vol.4」 BYDの最新事例を紹介 Amazonギフト券プレゼント〈PR〉

【中古車】がお得!? 新車不足で人気沸騰

【新車】簡単見積り! 自動車カタログを見る(外部リンク)

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング(外部リンク)

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー