なぜ道路下から「発泡スチロール」出てきた? 大雨で浮いて話題に! 画期的な「道路の作り方」とは
地盤が軟弱な場所では、土やコンクリートの約100分の1の軽さである、発泡スチロールが軽量盛土として使用されています。発泡スチロールを盛土材料として使用する「EPS工法」とは、どういったものなのでしょうか。
豪雨で道路に発砲スチロールが! EPS工法とは
最近では、梅雨や台風の影響などにより、日本各地で豪雨災害が起こっていますが、多くの雨が降った結果、道路に発砲スチロールでできた軽量盛土が隆起する事態が発生しています。
発泡スチロールで出来た道路とは、どのようなものなのでしょうか。
2022年8月上旬、SNSに大雨により道路が地面からせり上がった結果、地面下に埋まっている発泡スチロールが露出した状態が投稿され話題となっています。
その投稿に対して「道路の下に発泡スチロール入ってたの!」「エグすぎる」「道路の下ってこういうのもあるんですね」というような驚きの声が多くみられました。
一般的なイメージでは、路面にアスファルト舗装が施されその下には土などがあると考える人が多いかもしれません。
しかし、道路を建設する場合に地盤が軟弱な場所では、土やコンクリートの約100分の1の軽さである、発泡スチロールが軽量盛土として使用されていることがあります。
このような発泡スチロールを盛土材料として使用することを「EPS工法」といいますが、どういったものなのでしょうか。
建設用資材を販売している会社の担当者は、EPS工法について、以下のように話します。
「主に公共工事でEPS工法を活用しています。
また、地盤が軟弱な場所では、土やコンクリートの場合沈んでしまうため、軽い素材である発泡スチロールを軽量盛土として活用しています。
軽量盛土にはそのほかにも、ウレタンなどがあります」
盛土といえば、土やコンクリートをイメージする人もいるかもしれませんが、状況や条件によっては軽い素材である発砲スチロールやウレタンが使用されることがあります。
発泡スチロールは、土やコンクリートの約100分の1の軽量性を持ち、大型建設機械を必要とせず、人力による運搬もしやすいという特徴があります。
また、発泡スチロールは自立性があるため、容易に積み重ねていくことが可能です。
EPS工法は、軟弱地盤上の盛土や急傾斜地盛土、構造物の裏込、直立壁などの重さによる圧力や負担を減少する必要があるような場所で適用されています。
荷物を運ぶ際に緩衝材として使われることもある、発砲スチロールですが、やはり軽くもろい印象があります。
耐久性も求められる道路の盛土として使用し、問題ないのでしょうか。
前出の担当者は、発泡スチロールを使用したEPS工法について、以下のように話します。
「軽量盛土は“耐候性がある”のがメリットのひとつです。
薬品などによって侵食されることはほとんどありません。
さらに軽量盛土という名前の通り、非常に軽い素材であるため、“施工しやすい”のもメリットのひとつです。
発泡スチロールは1立方メートルで20kgの重さとなっており、女性でも片手で持てるほどのサイズ感であるため、人の手のみで工事をおこなうことができます。
また、軽いということは地盤に与える影響が少ないということでもあります」
このことから、軽いという特徴は、工事のしやすさと地盤への影響が少ないというメリットとして生かされるため、さまざまな道路で適用されていることがわかります。
≫発泡スチロールは1立方メートルで20kgの重さとなっており、
≫女性でも片手で持てるほどのサイズ感であるため
一般的な女性は「片手で20kg」なんて持てません!