ついに「水素GRヤリス」走った! WRCベルギーで水素社会の一端を披露! 現地はどんな様子だった?
ピットエリアでは水素燃料電池車「MIRAI」の電気を活用!?
サービスパーク内にあるTOYOTA GAZOO Racingのピットには、4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDの整備スペースに加えて、何とGR Yaris H2の整備スペースも設置されていました。
実はこのピットも新たな取り組みがおこなわれており、ピット照明の電力は水素燃料電池車「MIRAI」からホンダの給電機を通して供給するなど、スーパー耐久シリーズで2021年からおこなわれている「水素インフラを活用した実証実験」がWRCでも展開されています。
実はこれ、2022年6月に開催されたスーパー耐久 富士24時間耐久レースにORC ROOKIE Corolla H2conceptドライバーとして参加したヤリ・マティ・ラトバラ代表と豊田社長との会話によって実現したといいます。
豊田社長はその場で担当者である浜田成孝氏を呼び、「S耐の水素ピットの一部を、WRCのピットでもチャレンジしたい」と提案したそうです。
これもトヨタのアジャイルな動きのひとつでしょう。担当者である浜田氏は「今回は第一歩……ということでピット照明のみですが、すでに使用する電力の計算も進めています。将来的にはすべての電力を賄えるようにしたいと考えています」と教えてくれました。
ちなみにMIRAIからの電力供給の注目度は高く、「MIRAIがどのようなクルマなのかはわかるが、一体これは何をしているのか?」という質問を数多く受けたそうです。
浜田氏は「欧州の人の水素に対する興味は、肌感覚的には想像以上に高いと感じました」と教えてくれました。
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ちなみにGR Yaris H2は、翌日のデモ走行のために整備がおこなわれていましたが、メカニックの作業を見ていると、リアクォーター部の「J.KANKKUNE」の下にステッカーを追加していました。
さらに、もうひとつ「MORIZO」というステッカーも、これは一体どういうことなのでしょうか。
次なるGR Yaris H2はデイ2のSS11ですが、そのデモ走行に注目です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
>交流→直流への返還にホンダの発電機を使用
これ、交流と直流の変換が逆だと思うが。記事は、大容量給電のことだから、給電はDCだと思うので。
また、発電機ではなく、給電器ではないかと。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。