雷ピカっ! 定番「車内避難」は本当に安全? 一概に「クルマの中」が良いとは言えない理由とは
オープンカーやサンルーフ装着車は危険なことも
落雷で注意したいのは、オープンカーなどで屋根が幌などの「ソフトトップ」になっているモデルです。
ソフトトップの屋根は、金属ではなく布線維やビニールレザーなどの素材を使用しているため、屋根に落雷した場合、電気がボディに流れず、そのまま車内の人に伝わり感電してしまう恐れがあります。
同様に、ガラス張りの「サンルーフ」を採用しているクルマの場合、ガラス面に雷が落雷すると、そのまま車内に電気が流れ込んでくる恐れがあるうえに、落雷の衝撃でガラスが割れ、ガラス片が車内に飛び散る危険性も考えられます。
そのようなソフトトップの屋根、ガラス張りのサンルーフを装着している車種の場合、雷が近づいてきたら車内にいるのは危険です。
もし、近くで落雷を感じたら、駐車可能な場所にクルマを止め、コンクリートの建物など、安全な場所に避難することが大切です。
また、走行中に雷が落ちてきてしまった場合の対策方法について、前出の担当者は次のように話します。
「走行中に落雷した場合は、光や音などでパニックを起こしがちですが、室内に逃げ込むなど、冷静に判断して行動してください。
パニックを起こし、ハンドルやブレーキなどの操作を誤ってしまった場合、思わぬ事故につながってしまう恐れがあります」
落雷を受けても車内の人間にまで危害が及ぶことは少ないので、慌てず、冷静に走行を続けるように心がけましょう。
もし冷静さが保てない場合は、そのまま運転を続けるのは危険といえ、クルマを安全な場所に止め、雷雲が通過し気持ちの動揺が落ち着くまで、車内でやり過ごすという判断も必要です。
なお、雷が近づいているときは、情報収集をおこない、気象状況を把握することも大切です。
気象庁のWEBサイト「レーダー・ナウキャスト(雷ナウキャスト)」では、雷の激しさや雷の可能性を1km格子単位で解析し、1時間後(10分~60分先)までの予測をマップ画面上に表示しています。
どこの場所がどれだけ危険かをマップ画面上で直感的に把握できるので、雷の状況を知り、先手をうって避難を進めることができます。
またAMラジオでは、雷雲が接近するとその放電によりガリガリというノイズ音が入ることがあり、聞き慣れないノイズが聞こえたら注意しておきましょう。
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雷が落雷してもクルマの中が比較的安全なことは、JAFの実験などでも科学的に検証されています。気象庁も、自動車の内部を「比較的安全な空間」とアナウンスしているので、他に避難場所がない場合は、クルマの中に避難するのも間違いではありません。
ただしソフトトップのオープンカーやサンルーフ装着車の場合は、危険なので車内に留まるのは避けましょう。
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