出口ですぐに行き止まり、バイパス計画も無関係…和歌山「最奥」の村道トンネルはなぜ造られた?
トンネルを抜けたとたんに行き止まりになる道路が、和歌山の山奥にあります。2車線の立派なトンネルはなぜ造られたのでしょうか。そして道路の目的地はどこなのでしょうか。
国土地理院の地図にも載っていない「上滝トンネル」
山奥の短いトンネルを抜けるとすぐ行き止まりだった――このような場所が紀伊半島にあります。
トンネルはクルマ同士がすれ違えるごく普通のものですが、そのトンネルを出ると道は突然終わり、あとは山と川が見えるだけ。一体なんのために造られたのでしょうか。
場所は三重県と奈良県に囲まれた和歌山県の飛び地・北山村の北山川沿いです。村を貫く国道169号の脇道を進むと、そのトンネルが見えてきます。
名前は「上滝トンネル」といい、車道は2車線(片側1車線)、長さは461m、完成は2003年6月で、北山村の村道です。
このトンネルを出ると見えてくるのは川と草むらです。2車線の道路の正面には山が待ち構えており、アスファルトの舗装は草むらに突っ込むような形であっけなくすぐに終わります。
トンネル出口から道路の“終点”までは、長く見積もってもわずか100mほどで、その間にあるのは、川に降りられるスロープくらいです。そのため基本的にクルマも人もそのまま引き返すことになります。
ちなみにこの上滝トンネルはグーグルマップには載っていますが、国土地理院の「地理院地図」には載っていないという、ますます「謎」な存在です。
なぜ、山奥にこのような立派なトンネルが造られたのでしょうか。
北山村の担当者によると、上滝トンネルは「観光筏(いかだ)下り」に関連して造られたといいます。
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