自衛隊に「神出鬼没の忍者」がいた!? 走行しながら射撃&隠密偵察などで活躍も!「偵察オートバイ」とはどんな部隊なのか

偵察オートバイライダーに必要な要素は何? どんな人が向いている?

 忍者ともいわしめた偵察オートバイは単独行動が多く、目立たない影の存在のようですが、自衛隊の記念行事でジャンプを披露したり、派手な演技を見せたりして実は目立ちたがり屋の一面もあります。

 乗員の多くがもともとオートバイ好きで、カワサキ乗りは濃緑色の塗装が剥がれて下地のカワサキグリーンがちょっと覗いたりするとニヤリとするとか。

 通勤や趣味でオンロード、オフロードバイクを楽しむ人も多いです。こんなプロライダーの道もあります。

 オートバイ乗員に求められるのは「ガマンすること」。暑い寒い、雨が降れば濡れるなど、ここまではライダーなら実感できるところです。

 さらに長距離乗り過ぎてお尻が痛い、体中が辛い、さらに眠いといったこともあるそうです。

 走ることが目的のツーリングではありませんので、このガマンを乗り越えて与えられた任務を達成しなければなりません。

 訓練では転倒するのは当たり前、ときには骨折することもありますが「痛い」といったら負けだそうで「やせガマン」する位の豪胆さも必要だといいます。じゃないと人前でジャンプなんか披露できません。

 ジャンプは何度やっても怖いそうで、訓練係が撮影した自分のビビりな飛び方を見ると凹むこともあるそうです。

 でも慣れてくると飛翔中の姿勢まで気が回るようになります。しまいには「オレを見て見てw」の境地に達するらしいです。

災害派遣でも先行偵察する。平成28年4月の熊本地震で阿蘇大橋に進出した偵察オートバイ。(画像:陸上自衛隊)
災害派遣でも先行偵察する。平成28年4月の熊本地震で阿蘇大橋に進出した偵察オートバイ。(画像:陸上自衛隊)

 偵察オートバイには50キログラム程度の装具しか積めません。行軍時には食料、水、衣料品や救急キットなどを詰めたリュックをリアキャリアに括り付け、右サイドのラックに無線機、ハンドルバーには地図やタブレットを括り付けます。

 交通法規に則りサイドミラーも取り付けます。下車してすぐ戦闘行動がとれるよう小銃は身に付けますが、公道を走る場合には原則小銃は携行しません。

 実際の任務ではオートバイを含む偵察隊は主力部隊より先行して、前方の状況を確認し大型トラックや装甲車などが通行可否や敵情を偵察します。

 さらにオートバイは偵察隊からも分離して車両が入り込めないような狭隘な地形などにも前進することがあります。こうした能力は道路が寸断された災害派遣でも重用されています。

 オートバイと乗員の関係はほかの自衛隊のくるまと乗員とはちょっと違った関係です。

 偵察隊員は1人とオートバイ1台で任務を遂行します。1対1の関係である意味「バディ」(二人組の相棒)です。

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