トヨタ新型「クラウンの後席」は高級ソファ? セダンSUVになっても「トヨタの高級車」は不変か VIP意識の「おもてなし」とは
トヨタの高級セダン「クラウン」は、歴代モデルにおいて「後席空間」を重視した開発をおこなってきました。そうしたなかで16代目となったことでセダンだけでなくさまざまなボディタイプをラインナップします。その第一弾となる「クロスオーバー」でも「後席空間」は重視されているのでしょうか。
やはり後席はスゴかった! 新型「クラウン」の開発背景とは
トヨタを代表するモデルといえる「クラウン」。
2022年7月15日には16代目となる新型クラウンが登場しましたが、ユーザーが気になる部分として後席の居住性です。
これまで「VIPを後席に乗せる」という要素も重要視されていましたが、新型クラウンでは、後席空間はどのような進化を遂げているのでしょうか。
昨今の歴代クラウンは「セダン」「VIPを乗せる」といった概念が色濃く反映されたモデルとなっていました。
そうしたなかで、新型クラウンでは「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」と異なるボディタイプを設定。
これは、トヨタのフラッグシップモデルながらさまざまなユーザーにとってのフラッグシップという意味も込められて登場します。
そうしたなかで、2022年秋に第一弾となる新型クラウン クロスオーバーの登場が控えていますが、後席空間にはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
後席の居住性・快適性を決めるうえでその空間の使い方や、静けさ(静粛性)が求められます。
先代となる15代目クラウンでは、TNGAプラットフォームを新採用することで、後席ではフロントシート下の足入れスペースを拡大し、足元の心地よさを向上。
さらに、シートは日本人の体型に合わせた座面形状の最適化によりフィット性を高め、長時間着座時の疲労低減に寄与しました。
また、車両骨格構造の適正化、防音材の適切な配置に加え、アクティブノイズコントロールを採用することで、スピーカーから逆相の音を出し、ノイズをキャンセルすることで静粛性を向上させています。
実際に15代目クラウンの後席に座れば、自然な姿勢となり、長距離でも窮屈ではなく、ゆとりのある移動を体感出来ました。
その一方で、16代目の新型クラウン クロスオーバーでは、単純に「広い」「静か」というだけでなはく、乗り降りする際から「おもてなし」を感じる乗り心地を意識して開発したといいます。
乗り心地における「おもてなし」の表現方法として、乗降性は数値では測れないために可動式のモックを製作して、性別・年齢・体系などさまざまな人に体感してもらい、検証して開発を進めていったと開発担当者は語っていました。
さらに静粛性では、数値ではなく「人がどのように感じるか」を重視し、全体のバランスとくに耳に残る風切り音を低減させるために0.1mm単位で音の進入路を対策していきました。
また、クラウンならではの高級感を表現するために、微小な振動をいかに抑えるのかという部分にもこだわり、タイヤのひと転がりから体感出来る「高級車の質感」を追求したといいます。
新型クラウン クロスオーバーの乗降性に関して、脚を上げ下げしやすいフロア面の地上高をセダン並となる410mmにし、エレガントな所作での乗り降りを実現しました。
また後席シートでは計算された美しいヒップポイントを工夫して導くことで、実際の乗り降りではスッと着座することが可能です。
そして、着座時には先代クラウンを超える前後シートのディスタンスにより脚をゆったりと伸ばせることや、ルーフ部の省略化により後席からの視界性を確保することで圧倒的なゆとりを実現しています。
このような試行錯誤により実際に着座した印象は、高級ソファに座った際の包み込まれる感じやしっかりとした安心感を覚えました。
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また、新型クラウン クロスオーバーではコロナ禍におけるクルマで過ごす時間を意識した純正用品「マルチホルダー」を設定しています。
これは、「快適な後席」という新型クラウン自体の狙いをもとにテーブル、タブレットホルダー、さらにアシストグリップとして使えるものです。
新型クラウン クロスオーバーは、セダンとSUVを融合させた新たなパッケージを採用することで、これまでの高級セダンの概念を打ち破る「トヨタの高級車」へと進化したといえるかもしれません。
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