地震やゲリラ豪雨、大雪など自然災害多発の日本 重要ライフライン「道路」の防災対策はどうなってる?
高速道路のSA/PAや道の駅は地域の防災拠点に
国や自治体による道路を守る施策は、ハードとソフトの両面から進められています。
ハード面では、活断層が多い日本は地震も多いため、1995年の阪神・淡路大震災以降、古い設計基準で建設された橋梁に耐震補強を施工。
柱をコンクリートや鋼板で補強し、橋桁の落下を防ぐ「落橋防止装置」を取り付けるなどの耐震工事がおこなわれています。
また豪雨による防災対策としては、土砂崩れや落石が発生しやすい箇所に「防護柵」を設置、崩落しやすい斜面にはコンクリート製の枠で固定する「法面設計」の処置、さらには道路区域を拡大し、災害発生後も通行できる部分を残す補修工事を進めています。
集中豪雨など急激に雨量が増えた場合は、都市部でも路面の低いアンダーパスなどが冠水してしまこともあります。
冠水しやすいアンダーパスは全国で約3500か所あるといわれており、排水ポンプで処理できない場合を見越して道路周辺に表示板を設置、通行規制をおこなうなど、「減災」につながるような手法が用いられています。
高速道路上のSA/PAは、多数のクルマが安全に駐車できるスペース(敷地)があり、建物は耐震構造。さらに緊急時用のヘリポートが併設されているところもあり、食料や水、紙オムツなどを備蓄。
同様に、道の駅も飲料水や毛布、電源、災害資材などの備蓄が進んでおり、いざというときは各地域の「防災拠点」となるように防災対策と準備をおこなっています。
さらに、津波や、河川の決壊などで洪水が懸念される地域では、避難所となる「防災ひろば」と「緊急搬送路」を確保するなど、道路自体の改修と防災対策が進められています。
一方でソフト面では、2011年の東日本大震災の教訓から、海水面からの高さを表す「海抜表示シート」が国道を中心に設置されています。2014年時点では全国約1万4000kmの区間で設置済みです。
また、「ETC2.0」などで収集されたプローブ情報(車両の位置や速度などを200m間隔で自動的に蓄積されるデータ情報)や各地域の通行止め情報などを融合させ、「通れるマップ(緊急物資の輸送経路)」の作成・公表や、道路交通情報としての発信などで、防災だけでなく、被害を最小限に抑える「減災」が進められていることがわかります。
※ ※ ※
近年でとくに怖い自然災害はゲリラ豪雨でしょう。晴天だったのに、急に積乱雲が発生し、突然集中的に豪雨に襲われることが多発しています。
我々ドライバーができることとしては、自然災害が発生しそうなエリアへの走行は控える、または大きく迂回するルートを考えるのも重要になりそうです。
「1台くらいなら大丈夫」という過信が、自然災害で被害に遭う境目になるかもしれず、防災対策が施されている道路でも注意は怠れません。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。