東京のベタ踏み坂? 臨海部の巨大橋「東京ゲートブリッジ」通るだけではもったいない2つの見どころ
東京の臨海部に架かる東京ゲートブリッジは、そのユニークな形から「恐竜橋」などとも呼ばれています。どのような経緯で誕生したのでしょうか。
ユニークな「恐竜橋」なぜその形に?
東京にはさまざまなランドマークが存在しますが、なかでも比較的新しいのが東京ゲートブリッジです。ユニークな形や長い急な勾配であることから、別名「恐竜橋」や「東京のベタ踏み坂」などとも呼ばれています。
この橋はどういった経緯で誕生したのでしょうか。
東京ゲートブリッジは江東区若洲と中央防波堤外側埋立地を結ぶ橋です。
東京湾臨海道路事業の一部として、事業期間約10年、建設費約1100億円をかけて建設され、2012年に開通しました。
橋の全長は2618m、海上区間だけでも1618mありますが、最大の特徴はなんといってもその形でしょう。恐竜が向かい合っているような形をしており、「恐竜橋」の名でも親しまれています。
東京ゲートブリッジがまるで恐竜のような形になっている理由は、その構造にあります。
通常、大きな橋の形として思い浮かぶのは、レインボーブリッジなどのいわゆる「吊り橋」です。しかし、東京ゲートブリッジは2つの大きな理由から、吊り橋にできませんでした。
1つ目の理由は、桁下の高さ制限です。東京ゲートブリッジは、クルーズ船なども通る「東京第三航路」を跨いでいます。そのため大型船舶が通れるように、桁下の高さを大きく確保する必要がありました。
2つ目の理由は、上空の高さ制限です。東京ゲートブリッジの近くには羽田空港があるため、航空法により橋の高さを98.1m以下にする必要がありました。
これらの条件をクリアするため、東京ゲートブリッジは「トラスボックス複合構造」と呼ばれる特殊な構造で建設されています。その結果、恐竜のようなユニークな形になったのです。
東京ゲートブリッジは、大田区城南島から中央防波堤外側埋立地を経由して江東区若洲までの約8kmを結ぶ東京湾臨海道路事業のII期事業として架けられた橋です。
東京湾臨海道路事業は、臨海部の物流の円滑化と湾岸道路(首都高速湾岸線・国道357号)の混雑緩和を目的としています。
東京湾のコンテナターミナルでは、1日約1万個ものコンテナが取り扱われており、大量のトレーラーがその物流を支えています。
東京湾臨海道路を利用することで、中央防波堤側埋立地と、若洲側にある新木場との所要時間が4割減少し、物流が円滑化することに加え湾岸道路の混雑が緩和される効果があるといいます。
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