プレミアムSUVの先駆け! トヨタ「ハリアー」が高級路線で大ヒット! 元祖都会派SUVの魅力とは
新しいジャンルを切り開いたクルマとして、トヨタ「ハリアー」に着目。「プレミアムなクロスオーバーSUV」という新ジャンルの先駆けとなったハリアーの魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。
SUVにプレミアム感を与えたトヨタ「ハリアー」
いつの時代でも、新しいジャンルを生み出す先駆者として誕生したモデルや、人気カテゴリーへと成長させる原動力となったクルマがあります。
そのなかからトヨタ「ハリアー」に注目。SUVというジャンルのなかで、「プレミアムクロスオーバーSUV」という価値観を生み出したハリアーとは、どのようなモデルなのでしょうか。歴史を振り返ります。
もともとSUVは、トラックをベースにしたクロスカントリー4WDに端を発しています。スタイルを踏襲しつつも快適性をより高めるべく、ラダーフレームからモノコックへとボディ構造を変更。エンジンや足回り、トランスミッションなども快適性と静粛性を重視したものを採用しながら、少し高めの最低地上高やアウトドアなイメージを感じさせるエクステリアと、セダンやワゴンのような快適性をも盛り込んだものです。
現在に通じるスタイルをもつSUVが世に出はじめた1990年代前半は、実用性を重視したモデルが主流で、搭載されるエンジンも手頃なパワーのレギュラーガソリン仕様を搭載するケースが大半。その性質上からヘビーデューティなクロカンに対して「ライトクロカン」などと呼ばれていました。
気軽に乗れる新スタイルのSUVとして、トヨタ初代「RAV4」などは新たなデートカーとしても人気がありました。
そんななか、1980年代から90年代前半にかけ一世を風靡したトヨタ「マークII」3兄弟など、「VIPカー」や「ハイソカー」と呼ばれたラグジュアリーな内外装のセダンやクーペに代わり、ユーザーの関心はSUVやミニバン、ステーションワゴンといったRV車人気に取って代わるようになりました。
そこでトヨタは、人気上昇中のSUVに新たにラグジュアリーな装備や内外装、余裕あるエンジンなどを搭載、ハイソな新ジャンルのSUVとして、初代ハリアーを誕生させました。
1997年にデビューした初代は、当時の「カムリ」のプラットフォームをベースに、全長4575mm×全幅1815mm×全高1665mmと、現在でも通用する立派なサイズのボディです。
当時のSUVとしては大きな排気量の3リッターV型6気筒エンジンを搭載したほか、廉価モデルとして2.2リッター直列4気筒モデルも用意。
駆動方式も4WDだけでなくFFも用意され、舗装路メインの都市型高級SUVという路線を確立させました。なお北米など海外向けには、高級車ブランドのレクサス「RX」としてデビューさせています。
また当時の、多くのユーザーが少しでも高級なものを目指すニーズとマッチ。あれほどまでにVIPセダン好きだった人々が、次々に高級SUVのハリアーに乗り換えたエピソードもあるほどです。
舗装路しか走らないけれど、いざというときにはオフロードも走れる4WDや、当時のセダンに劣らない洗練されたインテリアなどが受け入れられたことで、海外メーカーもこぞって高級SUV市場にモデルを投入し始めます。
スポーツカー専門メーカーだったポルシェまでのちにSUVモデルの「カイエン」をデビューさせるなど、ハリアーは、海外の高級車ブランドもSUV市場に参入するきっかけを生み出したパイオニア的存在となりました。
初代が切り開いた高級SUVという路線をさらに洗練させ、2003年に2代目と進化したハリアー。より価値を高めるためにトヨタが考えたのが、「高級サルーンを超えるハンドリングと先進の安全性」です。
2代目の登場当初は3リッターV型6気筒と2.4リッター直列4気筒エンジンを搭載しましたが、2006年にはライバル車(日産「ムラーノ」など)に対抗すべく、3リッターから280馬力の3.5リッターエンジンへと換装。
また2000年代に入ると環境性能がクルマ選びの基準のひとつとなり、トヨタは次々にハイブリッドモデルを投入するなか、SUVとしては国産初となる「ハリアーハイブリッド」が2005年に追加設定されました。
3.3リッターエンジン+モーターという組み合わせで、「高級志向のためのハイブリッド」を印象付けていました。
ちなみにボディサイズは全長4735mm×全幅1845mm×全高1680mmと、初代よりもひと回りサイズアップ。
サイズでもさらなる高級感を打ち出し、都市型SUVの代表モデルとでも呼べる高級感と安全性で、引き続き大ヒットモデルになりました。
なおレクサス版のRXは2009年、先行して3代目へと進化。ボディサイズを拡大させるなど、独自路線を進んでいます。
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