ネットでも話題!「まるでおとぎの国」フルーツバス停をご存じ?
「フルーツバス停」誕生のきっかけとは
全国でも珍しい、こうしたフルーツバス停はどうして生まれたのでしょうか。
長崎県の観光振興課と一般社団法人 長崎県観光連盟が運営する「ながさき旅ネット」によりますと、設置のきっかけは1990年に開催された長崎旅博覧会とのことです。
グリム童話のシンデレラのカボチャの馬車から発想したといいます。
設置から今年で32年目ですが、フルーツバス停はどれも外装も内装も綺麗な状態で保たれています。
そこで、フルーツバス停の現状について詳しく知るため、諫早市小長井支所で話を聞いてみました。
職員の方々は、背中にカラフルなフルーツバス停を描いたポロシャツを着ていました。
対応して頂いた職員の皆さんによりますと「フルーツバス停は3年前に補修しました」ということです。それでも、有明海に近く、または雨も比較的多い土地柄で、フルーツバス停の高い耐久性を確保しているといえるでしょう。
また「なぜフルーツがモチーフなのですか?」という問いに対しては「昔はこのあたり、フルーツを栽培する農家が多かったのですが、最近は地域住民が高齢化してフルーツ農家が減ってしまいました」ということです。
長崎県のこの周辺は、そもそもフルーツに関係する農家が多い地域です。
代表例は、フルーツゼリーで全国でその名を知られている「たらみ」でしょう。1969年に長崎県多良見町で多良見成果として発足し、1988年に株式会社たらみとなりフルーツゼリーの製造を始めています。ミカンバス停がある「たらみタラミ小長井工場」は2000年に竣工しています。
さて、フルーツバス停の関連グッズが並べられていたのですが、支所内では販売していないということで、小長井支所から10kmほど先の、山茶花高原ピクニックパーク・ハーブ園まで走っていきました。
イチゴバス停のキーホルダーや、スイカバス停のポストカード、そして5種類のフルーツバス停が勢揃いしているマグネットバッチを購入。
売店の方は「遠方からフルーツバス停を見に来る方が結構います。北海道から自走してきた若い方々もいました」というほど、フルーツバス停は全国的に注目が集まっているようです。
取材当日は、小雨模様でしたが、フルーツバス停が小長井周辺の風景を楽しく彩ってくれ、心の中が晴れ晴れとした良い1日を過ごすことができました。
翌日、JR長崎駅からJR博多駅まで乗車した特急かもめ車内からも、「メロンバス停」の平原バス停などを見つけることができました。
皆さんも長崎旅行の際、フルーツバス停巡りをしてみてはいかがでしょうか。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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