「点線国道」解消へ工事着々…越後山脈貫く国道289号「八十里越」新潟県内トップの橋も建設中!
新潟・福島県境で、国道289号の「八十里越」事業が進んでいます。着工から30年以上が経過していますが、長い工事の終わりも見えてきています。
三条~只見を直結
国道なのにクルマが通れない区間を、俗に「点線国道」といいます。
その多くが登山道であり、地図では点線(破線)で描かれていることからこう呼ばれていますが、点線国道の一つである国道289号の「八十里越」は近い将来、クルマで快適に駆け抜けられるようになりそうです。
国道289号は新潟市中央区から福島県いわき市までの約300kmを結んでいますが、そのうち新潟・福島県境の越後山脈を越える19.1kmの区間は現在、一般車が走れない「通行不能区間」となっています。
そして、ここをクルマで通れるようにしようと進められているプロジェクトが、八十里越事業です。
八十里越は、実際に昔の山道でも8里(約32km)ほどの距離ですが、険しさゆえに1里が10里ほどにも感じられたことから「八十里」になったといいます。
事業は国土交通省・新潟県・福島県が共同で進めています。
道路は2車線で、設計速度50km/hで整備。計画では、自動車通行不能区間を含む全長20.8kmを14本のトンネルで越えていくもので、最長は県境をくぐる9号トンネル(仮称)の3168mです。
橋も15本以上が架けられますが、そのなかでも国交省施工の5号橋梁(仮称)は橋脚の高さが80m超となり、これは新潟県内で一番高く、国内でもトップクラスといいます。
事業は1989年度に着工されて30年以上が経過。その間、複数のトンネルや橋が概ねできていますが、現在も工事が続いています。
時間がかかる理由は、この地域は国内有数の豪雪地帯であり半年間しか工事ができないためです。
国土交通省北陸地方整備局によると、八十里越は2021年4月の時点で「今後5か年程度で全線開通」と発表しています。この通りであれば2026年頃には、新潟県三条市と福島県只見町を結ぶ新たなルートが誕生しそうです。
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