阪神高速5号湾岸線で進む「西伸」事業 湊川でトンネル工事中 「世界最大規模」の橋2本も計画
阪神高速5号湾岸線の延伸事業「大阪湾岸道路西伸部」の工事が進んでいます。どのような計画なのでしょうか。
世界最大規模の連続斜張橋を計画
阪神高速で、3号神戸線に次ぐ第2の阪神ルートとなる5号湾岸線の工事が進んでいます。
事業は、湾岸線の現在の終点である六甲アイランド北出入口からさらに西へ進み、ポートアイランドを経由して、湊川JCT(神戸市長田区)方面に至る長さ14.5kmの道路です。
「大阪湾岸道路西伸部」として、阪神高速と国土交通省近畿地方整備局が工事を進めています。
2022年4月の段階では、湊川JCTの南側に位置する駒栄地区で、本線と駒栄ランプ(仮称)のトンネル工事などが進行中。
一方の六甲アイランド東地区では、本線の橋梁工事に先駆けて橋脚の基礎と抵触する雨水管の移設などが実施されています。
道路は、本線部分が設計速度80km/h、6車線(片側3車線)で、西端の31号神戸山手線接続部が設計速度60km/h、4車線(片側2車線)でそれぞれ整備されます。
この事業で注目となるのが、2本の長大橋です。
1本目は、六甲アイランドからポートアイランドに架かる長さ2730mの橋で、灘浜航路と新港航路をまたぎます。
神戸港を発着する大型クルーズ船も通航できるよう、航路高(海上から橋桁までの高さ)は最高65.7mを確保。橋は5径間(4本主塔)の連続斜張橋が採用されます。
約650mの最大支間長は、連続斜張橋としては、英エディンバラ近郊の連続斜張橋「クイーンズフェリー・クロッシング」(Queensferry Crossing、3本主塔・主径間長650m)と並び世界最大規模といいます。
2本目は、ポートアイランドから和田岬に架かる長さ1180mの橋で、こちらは神戸西航路をまたぎます。確保される航路高は59.4mです。
橋は、ポートアイランド側に主塔を1本立てる斜張橋となります。最大支間長が約480mで、こちらも1本主塔の斜張橋としては世界最大規模といいます。
関係機関によると、湾岸線が湊川JCTまでつながることで、渋滞が慢性化している神戸線の混雑緩和や、神戸港、神戸空港、神戸医療産業都市などのアクセス円滑化などが期待されるということです。
なお、大阪湾岸道路西伸部はさらに名谷JCTまで伸ばす計画がありますが、この区間は未着手となっています。
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