SUVやミニバン全盛の今「立体駐車場」の高さ制限どうなってる? 商業施設とマンションで異なる「上限1550mm」の実態
大型車へのニーズはどう対応?
同じ機械式駐車場でも、ビルや商業施設などに多く設置されるタワーパーキングに関してはSUVやミニバン人気ということもあり、大型車へのニーズが高いようです。
「さまざまな車種に対応できるように、普通、大型、特大パレット、高さもハイルーフ、ミドルルーフといった具合に選択できるよう、各駐車場メーカーのラインナップは多岐にわたります。
実際にハイルーフ対応の新設のタワーパーキングは増加していますし、車幅は1900mmから2000mm、車重は2000kgから2500kgまで対応可能な機種も増えています」(テクノパーク 臼井さん)
それでも、やはり収容台数とコストが問題になっているといいます。
「商業施設建築時はテナント収益がメインで、駐車場収益はおまけ程度に考えられるケースが多いのが実情です。
駐車場を中心に設計されていないぶん、使い勝手の悪い駐車場になってしまうところも多々見受けられます」(テクノパーク 臼井さん)
確かに商業施設によっては駐車場へのアプローチが極端に難しく、公道から鋭角に曲がらないと入れないといった構造のものもあります。
また商業施設の建物自体が古い場合、駐車スペースまでのスロープも狭かったり、普通車を想定したパレットしか設置されていない場所もまだ多いようです。
「それでも大型車駐車へのニーズの高まりを受けて、ハイルーフ対応を導入するタワーパーキングが増えています。
ただし、たとえば30台が収容可能だとしても、普通車が20台、ハイルーフが10台といったように、一部の区画に限定されるケースが多いです」(テクノパーク 臼井さん)
ハイルーフにも対応しているタワーパーキングは増えていますが、マンションなどの集合住宅に設置される多段式駐車場や2・3段ピット式駐車場は、依然として高さ制限が設けられているところも多いようです。
集合住宅の機械式駐車場に駐車する場合は、適合するサイズのクルマを選ぶ必要があります。
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今回話を聞いたテクノパークは駐車場のメンテナンスをおこなっており、駐車場メーカーではないものの、入れ替えなどで新しい駐車装置を導入したいとの相談も増えているといいます。
ちなみに、マンションなどの多段式駐車場や2・3段ピット式駐車場は屋外に設置されることが多いため、雨風などによるサビの発生や電気部品の不具合などを中心にチェック、メンテナンスするとのこと。
また、「機械式」というだけあり、稼働する機械部分にはグリスアップなども施されます。
機械式駐車場は、管理やメンテナンスされていないと重大な事故などが発生しやすいのですが、定期的なメンテナンスや消耗部品の交換をおこなうことで、機械式駐車場の耐用年数は25年程度まで延びるそうです。
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