40年以上スタイル変わらず大進化!? 芸能人御用達メルセデス・ベンツ「Gクラス」の魅力とは
1979年にデビューしたメルセデス・ベンツ「Gクラス」は、当時からほとんどデザインが変わらないのですが、実は2度ほどフルモデルチェンジ級の大改良を受けています。過去のモデルチェンジでは、一体どこがどのように変わったのでしょうか。
軍用がルーツの本格オフローダー「Gクラス」
SUV全盛ともいえる昨今、各メーカーからたくさんのモデルが販売されていますが、なかでも別格の存在感を放っているのがメルセデス・ベンツ「Gクラス」です。
「ゲレンデ」の愛称で知られる同車は、乗用車ベースのクロスオーバーとは一線を画す本格派のオフローダー。
その一方で多くの芸能人や有名実業家などが愛車にするケースも多く、ステータスシンボルというイメージも強いのではないでしょうか。
Gクラス人気の理由のひとつとされているのが、1979年の登場時からほとんど変わらぬ無骨なスタイリングです。
しかし、あまりにも変わらなさすぎて、マイナーチェンジを受けただけで40年以上も同じクルマが販売されていると思われがちですが、実際には2度のモデルチェンジを受け、現行は3代目にあたるモデルなのです。
そんなGクラスはどのような歴史をたどってきたのでしょうか。
初代モデルの登場は1979年。当時はGクラスではなく、ドイツ語で「オフロードビークル」を意味する「ゲレンデヴァーゲン」の名称で1990年まで生産されました。
軍用車として開発されたモデルを市販車用(民生車)に仕立て直したクルマといわれていますが、もともと市販車を作る計画があり、それに関心を示し発注したのが各国の軍だったというのが真相。
そのタイミングが近かったことや、ドイツ連邦軍のみならずNATO軍や国連軍で導入された実績もあり、軍用車のイメージが先行したのでしょう。
また、1907年に四輪駆動乗用車を世界で初めて実用化したメルセデス・ベンツ(当時はダイムラー社)でしたが、しばらく四輪駆動車を生産していなかったこともあり、オーストリアのシュタイア・ダイムラー・プフ社と共同で開発をおこない、同社が軍需産業に端を発することもゲレンデヴァーゲンに軍用車の印象を与えた一因ではないでしょうか。
そんなヘビーデューティーなイメージのゲレンデヴァーゲンは、1972年に開発が始まったときのコンセプトは「オフロード性能と安全性、そして快適性を兼ね備えたモデル」で、現代のSUVとほとんど変わりません。
これは先に発売されたランドローバー「レンジローバー」を意識してのことで、最新のGクラスまで脈々と受け継がれています。
1979年に発表されたゲレンデヴァーゲンは、ラダーフレームにスクエアなボディを組み合わせ、リジッドアクスルにトランスファーを備えたパートタイム4WDというメカニズムを採用する、本格派オフローダーでした。
日本へは一部の愛好家の求めに応じる形で1982年より輸入されるようになりましたが、以降の5年間で輸入されたのはわずか45台だけ。
少数輸入制度を利用しての販売だったため、排出ガスの問題からグレードは直列5気筒SOHCの3リッターディーゼルを搭載する「300GD」のみ、ボディは3ドアのショートホイールベース仕様(キャンバストップも設定)と5ドアのロングホイールベース仕様が用意されていました。
トランスミッションは4速MTが基本で、4速ATは40万円のオプション。前後のデフロックは当初はオプションでしたが、1985年以降は全車標準装備となりました。
本格的に販売に力を入れるようになったのは「メルセデス・ベンツ日本」が設立された1987年になってからのこと。待望のガソリンエンジン搭載モデル「230GE」も導入され、まずは年間100台の販売を目指しました。
230GEに搭載されたエンジンは2.3リッターの直列4気筒SOHCで最高出力120psと現代のGクラスとは比べるべくもありませんが、「300GD」のディーゼルエンジンが88psだったことを考えれば、十分に強力かつ静かでした。
本国では2.4リッター直列4気筒ディーゼルや2.8リッター直列6気筒ガソリンユニットも存在しましたが、日本へは販売終了となる1990年まで終始導入されませんでした。
ラインナップはシンプルで「230GE」と「300GD」の2モデル、ショートとロングの2ボディを基本に、「230GE」に年式により装備の異なる「アンファング」や「プレディカート」といったグレードが用意された程度です。
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1979年に登場した初代Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)の型式は「W460」で2代目は「W463」になります。
その間の「W461」と「W462」も実は存在し、前者は1981年に生産が開始された軍用モデルで、後者はギリシャでのノックダウン生産車です。
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