40年以上スタイル変わらず大進化!? 芸能人御用達メルセデス・ベンツ「Gクラス」の魅力とは
型式は変わってない!? マイチェンといい張るけれど…
1989年9月、フランクフルトモーターショーで新しいゲレンデヴァーゲン(2代目)が発表されました。
わずかに丸みを帯び、オーバーフェンダーとサイドステップが装着された程度しか見た目の違いがなかったためマイナーチェンジという扱いでしたが、それまでパートタイム式だった4WDシステムがフルタイムに進化するなど中身はまったくの別物。フルモデルチェンジと呼んでもおかしくない内容で、型式も「W463」へと改められています。
インテリアも大きく変更され、当時のセダンモデルと共通のテイストとし、フロントシートにアームレストが備わったり、ゼブラウッドが大量に使用されるなど、高級感が大幅に向上しているのが特徴です。
本国での発売は1990年ですが日本では1991年から導入され、3リッター直列6気筒SOHCガソリンエンジンを積む「300GE」と同ロングのみのラインナップでスタートし、1993年に5リッターV型8気筒を搭載する「500GE」を世界限定500台で販売。このモデルが現在のハイパワーなGクラスの礎といえるでしょう。
以降は矢継ぎ早に変更が加えられ、エンジンも3.2リッター直列6気筒DOHCになったかと思えば同排気量のままV型6気筒に刷新されたり、V型12気筒エンジンやスーパーチャージャーやターボを備えるAMGモデルが追加されたりと、15種以上のパワーユニットが組み合わされました。
なお、車名がゲレンデヴァーゲンからGクラスへと変更されたのは、この2代目モデルの途中から。メルセデス・ベンツ車は1994年モデルから「〇クラス」という名称に統一し、「500GE」から「G500」のようにグレード名のアルファベットと数字の順番を入れ替えました。
現行型は2018年に登場。メルセデス・ベンツ自身はこれを「改良型」といい、あくまでもマイナーチェンジとアピールしていました。
型式も「W463」を踏襲しますが、それまでのGクラスと共通するのはドアのアウターハンドルとウオッシャーノズル、そしてタイヤカバーだけというのですから、これはもう完全にフルモデルチェンジで現行型は3代目モデルだと受け取るべきでしょう。
ヘッドライトやリアコンビネーションランプがLED化されるなど細かいブラッシュアップはされていますが、ひと目でGクラスと分かるスタイリングは健在。
しかし、変わらぬように見えてホイールベースは40mm延長され、ボディはひと回り以上大きくなっています。
足回りはフロントがリジッドアクスルからダブルウイッシュボーンとなり、ステアリング形式も往年のメルセデスの伝統だったボール&ナット式からラック&ピニオン式に変更。
ボディの拡大で居住性を向上したことやATの9段化とあわせ、全体的に快適性を改善していることがわかります。
安全運転支援システムの採用や、12.3インチサイズのワイド液晶をふたつ並べたインパネ、表示を任意に切り替えられるメーターナセルなど現代のクルマらしい装備も抜かりなし。ボディパネルの素材を厳選しての軽量化など時代に合わせたクルマづくりはメルセデス・ベンツらしいところです。
搭載されるエンジンは、ディーゼルは3リッター直列6気筒DOHCターボ。セッティングの違いで出力の異なる「G350d」(286ps)と「G400d」(330ps)の2グレードがラインナップされています。ガソリンは同じ4リッターV型8気筒DOHCツインターボながらふたつの型式が用意され、421psの176型ユニットは「G550」に、585psの177型ユニットは「AMG G63」に搭載されます。
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登場から40年以上経った現在でも、見た目はほとんど同じ印象のGクラス。それだけ優れたスタイリングということなのでしょう。
その一方で、中身はまったくの別物に進化し、機能性を磨きながらも快適性が大きく向上しています。
メルセデス・ベンツは2021年のイベントでGクラスのEV版「EQG」を公開しました。その姿は誰が見てもGクラスとわかるもので、公開されたものはあくまでもコンセプトカーとの説明でしたが、ほぼこのままの姿で遠くない将来に登場する予定のようです。
EVになってもそのアイデンティティを失っておらず、Gクラスは偉大なクルマだといえそうです。
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