首都高値上げの影響は? 料金改定1か月で「長距離」減・「深夜」増…渋滞は減った?
国土交通省が、首都高の通行料金改定1か月の交通状況を発表しました。全国的にはコロナ禍からの交通量の回復が進んでいますが、首都高は料金改定の効果とみられる変化が起きています。
首都高全体の交通量は前年とほぼ同水準
2022年4月1日に実施した首都高の通行料金値上げをめぐり、国土交通省は5月24日、改定1か月の交通状況を発表しました。
料金改定後、首都高の長距離利用は減少。朝夕をはじめ日中の利用も減り、渋滞は減少したといいます。
首都高では、東京都心部を通過する交通を抑制するため、4月1日に料金を改定しました。ETC普通車の場合1320円から1950円に値上げするなど上限を引き上げたほか、深夜割引の導入、多頻度割引の拡充、千葉外環迂回利用割引の導入などを実施しています。
これらの結果、2022年4月の首都高全体の交通量は1日103万2千台で、新型コロナによる行動制限のあった前年4月の103万1千台とほぼ同水準に。
距離別に見ると、値上げ対象となった36km超の長距離利用は前年比マイナス2%になった一方、短距離利用は回復していることがうかがえます。
都心通過利用は1日3万2千台で、前年比でマイナス1%、コロナ禍前の2019年比でマイナス5%に。
また、千葉外環(三郷JCT~高谷JCT)の迂回利用割引により、2022年4月の三郷経由の都心通過利用は前年比6%減の1日2850台に。あわせて6号三郷線・向島線の渋滞損失時間も減少しました。
深夜割引が新たに導入された0時から4時までの交通量は前年比13%増だった一方で、それ以外の4時から24時まで時間帯は2%減少しています。
首都高全体の渋滞損失時間は、2019年比で28%減、前年比で10%減となり、とくに江戸橋JCTや大橋JCT、大黒JCTなどでの合流渋滞が緩和しています。
ちなみに首都高の交通量は前年比でほぼ同水準でしたが、NEXCO3社は2%増、阪神高速は3%増と、全国的には回復傾向が見られます。首都圏をぐるりと回る圏央道も前年比で2~5%増となっており、都心を通過する交通は、首都高から環状道路へのシフトが進んでいるといえそうです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。