ランクルみたいな全長5m級最上級SUV「GS8」がスゴい! 中国車にトヨタ「THS-II」初採用! かつては日産「アルティマ」にも
フラッグシップSUV「GS8」にトヨタ「THS-II」搭載! どんなモデルなのか?
そんな広州汽車ですが、2010年からは独自のプレミアムブランド「トランプチ(傳祺)」を展開中。
そのトランプチのフラッグシップSUV「GS8」が新たなTHS採用車種になり、トランプチの最上位車種として2016年の北京モーターショーで発表されました。
2019年にアメリカにも上陸する予定でしたが、米中貿易摩擦の影響を受けGS8をもってしての広州汽車のアメリカ進出は延期状態になってしまいました。
2021年7月には2代目GS8が発表されました。新たなプラットフォームを採用し、ボディは完全に刷新。
ホイールベースは120mm、全長は先代より170mm延長され、全長4980mmの大型SUVへと進化しました。
そして何よりも話題となったのが、第4世代THS-IIを搭載したハイブリッドモデルの展開です。
先代モデルは2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するモデルのみ用意されていましたが、今世代からはそれに加えてハイブリッドモデルも投入されています。
ハイブリッドモデルは広州汽車の2リッター直列4気筒ターボエンジンと上手く組み合わさるように最適化された特別仕様の第4世代THS-IIを搭載。
前輪駆動と四輪駆動の2種類の駆動方式が用意され、四輪駆動のほうはトヨタのハイブリッド車向け電気式4WDシステム「E-Four」も採用しています。
広州汽車はTHS-II搭載の理由として「トヨタが20年以上開発をおこなった結果、多くの人に支持されるようになった優れた技術であるから」としています。
広州汽車はこのGS8の投入と同時に、新たなハイブリッド技術「鉅浪混動(メガ・ウェーブス・ハイブリッド)」も発表しました。

今までの広州汽車の新エネルギー車は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が中心であり、純粋なハイブリッド車(HV)はこのGS8が初めてとなります。
また、「鉅浪混動」はトヨタのTHS-IIを組み合わせたシステムに加え、広州汽車が独自に開発したシリーズパラレルハイブリッドシステム「GMC 2.0」も用意されています。
つまりは、ふたつのハイブリッドシステムでひとつのハイブリッド戦略を構成しているわけです。
2022年4月下旬に発表された新型SUV「影酷(エムクー)」では、THS-IIベースのハイブリッドシステムではなく、GMC 2.0を搭載しています。
GMC 2.0は独自開発の2リッターアトキンソンサイクルエンジンが根幹となっており、そのエンジン自体の熱効率も42.1%を達成したとしています。
今後はふたつのシステムで構成される「鉅浪混動」技術を、同じ「影」シリーズのセダン「影豹」や、フラッグシップミニバン「M8」などの車種に搭載し、ますますハイブリッド車種のラインナップを拡充させていくとしています。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。
































