ランクルみたいな全長5m級最上級SUV「GS8」がスゴい! 中国車にトヨタ「THS-II」初採用! かつては日産「アルティマ」にも
世界のハイブリッド車を代表する存在といえるトヨタ「プリウス」。そのハイブリッドシステムが中国車に初採用されて話題になっています。
実は日産やマツダにもトヨタのハイブリッドシステムが搭載されていた?
ハイブリッド車を代表するモデルといえばトヨタ「プリウス」です。トヨタのハイブリッドシステムは、世界中のトヨタ車に搭載される以外にOEMや業務提携によって他メーカーでも採用されてきました。
そうしたなかで、トヨタが開発したそのハイブリッドシステムが中国車に初採用されて話題になっています。
採用されたのは、中国・広州汽車の新型SUVですが、どのようなモデルなのでしょうか。
トヨタが1997年に発売し世界に衝撃を与えた世界初のスプリット式ハイブリッドシステム搭載量産車のプリウス。
プリウス自体の装備やパッケージング、設計はもちろんのこと、その根幹となるパワートレイン「THS(Toyota Hybrid System)」も非常に革新的なもので、ハイブリッド自動車の歴史を作り、広く世界に普及することに多大な貢献をしました。
初代プリウスを皮切りに、THSを採用するハイブリッド車は徐々に増えていきました。
「売れば売るほど赤字になる」といわれた初代プリウスは実証実験的なローンチであったものの、5ナンバー・4ドアセダンから3ナンバー・5ドアハッチバックのスタイリングへと変化した2代目プリウスでは2世代目の「THS-II」を採用し、全面的にブラッシュアップ。
2代目は初代の約10倍、約119万台を販売したベストセラーとなりました。
THS-IIではバッテリーのみで走行を可能とする「EVモード」の実装や、後輪に電動モーターを配置する電気式4WDシステム「E-Four」の適用など、今のハイブリッド車では当たり前となった多くの革新的機能を紹介した世代でした。
その後、「THS-II」という名前はそのままに、2009年の3代目プリウスでは3世代目、2015年の4代目プリウスでは4世代目へ、そして2022年の4代目ノア/ヴォクシーで5世代目のTHSが登場。
2022年3月末現在、これらハイブリッド車を含むトヨタの電動車は全世界の累計販売台数で2000万台を記録しました。
トヨタが開発したハイブリッドシステムを今まで採用してきたのは、トヨタ車だけではありません。
2006年に北米向けとして発売された日産のアルティマ(L32型)ではハイブリッドモデルにTHS-IIを搭載。
2013年にはマツダ アクセラ ハイブリッドに「SKYACTIV-HYBRID」という名前で採用。スバル XVの北米向けモデル「クレストレック」ではPHVモデルが用意されていますが、これもTHS-IIをベースにしたものです。
また、トヨタがダイハツやスズキへOEMとして提供したモデルに限れば、それらのメーカーにも採用されたといえます。
このように、これまではトヨタ以外の採用だとしても日本の自動車メーカーに限っていましたが、ついに日本以外のメーカー、中国の広州汽車に採用されました。
広州汽車(GAC)は広東省広州市が本拠地の国営自動車メーカーで1954年に設立されたバス修理工場「広州市公衆汽車修理廠」に端を発しています。
1960年代にはピックアップトラック「紅衛」や、1970年代のセダン「広州」を広州市で初めて開発するなど小規模ながらも自動車の設計をおこなっていました。
中国経済の対外開放は1980年代に広州から始まりましたが、そのなかでも広州市政府が所有する広州汽車はかなり初期の段階である1985年にプジョーと提携し「広州プジョー」を設立。
中国国内でプジョー「504」と「505」の製造をおこないましたが、プジョー側との認識のズレ、フランス人技師と中国人技師との間のモチベーションの違いや、高温多湿な広州市の環境にフランス車が合わないなど販売は年を重ねるごとに低迷。
同じ外資による合弁会社の上海フォルクスワーゲン「サンタナ」が年間15万台近く販売されたのに対して末期の広州プジョーは約2500台しか売れなかったことからも、その酷さは理解できるでしょう。
結局、広州市政府とプジョーはほぼ喧嘩別れのような状態で合弁を1997年に解消させました。
その次に広州市政府が選んだパートナーがホンダで1998年には「広州ホンダ(現在の広汽ホンダ)」を設立し、その関係は今に至っています。
また、2004年にはトヨタとの「広汽トヨタ」も立ち上げ、中国国内での日本車人気に大いに貢献する重要なパートナーとなりました。
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