安くて楽しくてコスパが高い! ちょっと前の安価でホットなMT車3選
現在、日本の自動車市場ではMT車のシェアは1%ほどですが、トヨタ「スープラ」のMTモデルが発表されたり、日産新型「フェアレディZ」は全グレードでMTが選択できるなど、最新のMT車が注目されています。そこで、比較的安価ながらドライビングプレジャーあふれるちょっと前のMT車を、3車種ピックアップして紹介します。
今なら安価で入手可能な中古MT車を振り返る
トヨタは2022年4月28日に「スープラ」の一部改良の概要を発表し「RZ」グレードへのマニュアルトランスミッション新規設定が明らかになりました。
また、2022年夏に発売される日産新型「フェアレディZ」では全グレードにMTが設定され、2022年中に発表予定のホンダ新型「シビック タイプR」もMTの採用が決まっています。
現在、日本の自動車市場では新車のMT車比率は1%程度のなか、新たなMT車が増えるのはセンセーショナルな出来事といえるでしょう。
しかし、MT車が少ない状態のままという傾向は変わっておらず、選択肢が豊富とはいえません。
そこで狙い目なのが一世代前の安価の中古MT車で、比較的安価ながらドライビングプレジャーあふれるちょっと前のMT車を、3車種ピックアップして紹介します。
●スズキ「スイフトスポーツ」
国内で販売されているモデルのなかで、貴重なホットハッチとして人気を集めているスズキ4代目「スイフトスポーツ」ですが、先代の3代目も大いに魅力的な存在です。
2011年にデビューした3代目スイフトスポーツは、今や貴重な1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載。最高出力は136馬力と1.6リッター車の全盛期と比べると決してハイパワーではありませんが、1トン強の軽量な車体には十分な出力でアクセルレスポンスも優れていました。
組み合わされるトランスミッションはシリーズ初の6速MTと、パドルシフト付7速マニュアルモードを採用したCVTを設定。
外観は前後バンパーとルーフスポイラーが専用のデザインで、左右2本出しのマフラーなどスポーティさを演出していました。
また、5ナンバーサイズのコンパクトなボディは日本のワインディングロードにマッチし、専用セッティングの足まわりと4輪ディスクブレーキも相まって優れたドライビングプレジャーを発揮しました。
3代目スイフトスポーツは2016年まで生産され、現状でも中古車の物件数が豊富で、高年式の低走行車でも130万円前後の価格帯で入手可能です。
●ホンダ「フィット RS」
ホンダは2001年に、次世代のベーシックカーとして初代「フィット」を発売。プラットフォームからエンジンまですべて新設計されたフィットは、シンプルで洗練されたスタイル、クラストップレベルの室内空間、低燃費を追求した優れた経済性から、空前の大ヒットを記録しました。
その後2007年に登場した2代目では、1.3リッターエンジンにアシスト用モーターを組み合わせた初代「フィット ハイブリッド」が登場し、さらにスポーティグレードの「RS」が加わりました。
そして、2013年にデビューした3代目でも、2代目に引き続いてハイブリッドとRSをラインナップ。
3代目フィットのRSは専用デザインのフロントグリルにリアバンパー、大型のテールゲートスポイラーなどが装着され、リアゲートの形状もRS専用となっていました。
エンジンは最高出力132馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒i-VTECを搭載し、トランスミッションはCVTに加えシリーズ初の6速MTを設定。
シャシもチューニングされ各部の補強によるボディ剛性向上や、ステアリングのベアリングも剛性アップして応答性を高めるなど、ハンドリング性能が重視されていました。
フィット RSはファインチューニングによって日常のドライブでも走りが楽しめるモデルでしたが、2020年に4代目が登場するとMTの廃止とともに、スポーティなグレードもラインナップされませんでした。
現在、2018年式以降の高年式車は若干相場が上がっており、200万円台前半の価格帯ですが、2017年式以前ならば100万円台の相場です。
●トヨタ「オーリス RS」
トヨタは2018年に、12代目「カローラ」に先駆けて「カローラスポーツ」を発売。スポーティさを強調し、1.2リッターターボエンジン車には6速MTが設定されています。
このカローラスポーツの前身となるモデルだったのが、2012年に発売された2代目「オーリス」です。
ボディはCセグメントの5ドアハッチバックで、フロントフェイスはトヨタのデザインテーマであるキーンルックを採用し、シャープで精悍な印象でした。
パワーユニットは発売当初1.5リッターと1.8リッター直列4気筒自然吸気のラインナップでしたが、2016年にはハイブリッドと1.2ターボが加わりました。
トップグレードの「RS」は最高出力144馬力を発揮する1.8リッターエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみとされるなど、一際スポーティなモデルであることを強調。
また1.8リッター車の足まわりはフロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架の採用と、ステアリングギヤ比がクイック化され、RSは専用16インチ大径ディスクブレーキと、サスペンションの専用チューニングにより一段高いレベルの運動性能を誇りました。
その後、前述のとおりカローラスポーツにバトンタッチするかたちで、2018年に2代目オーリスは生産を終了。
現在の中古車相場は、最終モデルに近い低走行の物件でも150万円前後で、2015年式以降のモデルならば、先進安全技術の「トヨタセーフティセンスC」を搭載しているため、コストパフォーマンスはさらに高くなっています。
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国内メーカーでもMT車を積極的にラインナップしているメーカーといえばマツダですが、近年はトヨタもスープラだけでなくMT車を次々とリリースしています。
サーキット走行では変速速度に優れたDCTが有利ですが、あくまでも公道を走る上ではMTを駆使した「操る楽しさ」が勝るといえるでしょう。
もはや「風前の灯火」という状況の国産MT車ですが、まだまだ楽しめる時間は十分に残されています。
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