道中の「酔い」対処に最適? なぜSA・PAで「謎の飴」が人気? 「酔い止めドロップ」の正体とは
酔い止めドロップは「NEXCO西日本」発案のものだった? 誕生の背景とは
では、酔い止めドロップはどのような経緯で誕生したのでしょうか。
酔い止めドロップの発売元で、大正時代創業の長い歴史を持つ大和合同製薬株式会社 代表取締役 増田善昭氏に聞きました
――ドロップでありながら、酔い止めに効果があるのはなぜでしょうか。
こちらは医薬部外品として承認された際に、酔い止めの効果があるとされた成分は「アスコルビン酸」(=ビタミンC)でした。
現在は、効能としてはとることができませんが、ビタミンCに酔い止めの効果があるとされてきました。酔い止めは気持ちの問題もあるのは確かですね。
さっぱりさわやかな味なので、口に入れただけでも不快感が緩和される効果があるかもしれません。
――開発の経緯を教えてください
7-8年前になりますが、NEXCO西日本さんと地元の商工会議所主催で「商談会」がおこなわれました。
そこで、NEXCOさんから「高速道路のSA/PAでは酔い止め薬の販売ができません。SA/PAの売店でも販売できる医薬部外品の酔い止めドロップのようなものは作れないでしょうか?」と打診を頂きました。
そして生まれたのが「酔い止めドロップ」です。
――どんなところで販売されていますか?
現在はNEXCO西日本エリアの_SA/PAの売店を中心に、NEXCO中・東日本のSA/PAでも販売されるところが増えてきました。
あとは、東京九州フェリーなどフェリーの中の売店やJR東日本のコンビニエンスストア「ニューデイズ」やドラッグストア、通販サイトでも購入できます。
――最初が高速道路、続いてフェリー内でも販売されるようになったのですね
はい。実は販売を始めた頃のパッケージにはフェリーの絵がありませんでした。
最近、フェリー内でも人気商品となって新しいパッケージにはフェリーのイラストが入っています
ちなみに、フェリーで販売されるようになったのは理由があります。
かつてフェリー内の売店は特例として医薬品を販売できていたのですが、近年、新造船が増え、また東京九州フェリーのように新たな航路に就航するケースが増えてきました。
新しい船になるタイミングで特例として販売できていた医薬品の販売が終了してしまい、通常の酔い止め薬を扱うことができなくなりつつあります。
医薬部外品である酔い止めドロップなら販売できる、ということもあって最近ではフェリー内の売店でも販売しています。
※ ※ ※
NEXCO西日本との商談会がきっかけで誕生した酔い止めドロップが、今や全国の高速道路や鉄道の駅でも販売されるようになったようです。
この「商談会」はどのようなものなのでしょうか。西日本高速道路の広報課に聞いてみました。
「NEXCO西日本では平成28年から『ハイウェイ大商談会』をおこなっています。
これまで関西や四国、中国、九州地区で合計14回開催されており、地元の生産者の方々、企業の方々からは商談会の開催によって、ビジネスチャンスにつながると好評をいただいています。」
※ ※ ※
確かに、最近では「高速道路初!」などのスイーツ類も多く見かけるようになり、定番のお土産類に加え、それまでSA/PAで販売されていなかった商品を目にする機会も増えており、酔い止めドロップもそこから始まっていたようです。
クルマ酔いや船酔いで苦しい思いをするとせっかくの旅行が台無しです。
酔い止め薬が販売されていない場所では酔い止めドロップを試すのも良いかもしれません。なお、効果には個人差があります。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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