後続車が迫ってくるのに道を譲らないのは違反!?「追いつかれた車両の義務違反」ってナニ?

「追いつかれた車両の義務違反」は意外と罰則!?

 交通量の多い道路や片側1車線の見通しの悪い山岳路などでは、追いつかれた車両の義務違反のクルマによって渋滞を引き起こしてしまうこともあります。

後続車が迫ってきたら左に寄って追越してもらう
後続車が迫ってきたら左に寄って追越してもらう

 制限速度が50km/hのところを30km/hで走行するなど、10km/h以上遅く走り続けていると義務違反に該当してしまいますが、遅くなってしまったとき(追いつかれたとき)に後続車に追い越しさせれば違反にはなりません。

 それでも、「追い越しのためのはみ出し禁止」道路(センターがオレンジのライン)などでは、自分が渋滞の原因にならないためにも、交通の妨げにならないような速度をキープする必要があります。

 追いつかれた車両の義務違反は軽微な処分で済むのかと思いきや、意外と厳罰のようです。

 まずは違反点数が1点加算され、さらに反則金(罰金)は普通車の場合は6000円が科されます。

 また、走行している車線によっては、別の違反が加算される可能性もあります。

 高速道路の追越車線を走行し続けると「車両通行帯違反」(違反点数1点+反則金5000~7000円)、高速道路の最低速度(50km/h)以下で走行していると「最低速度違反」(違反点数1点+反則金6000~7000円)に該当することもありえます。

 さらに、妨害目的の通行区分違反や急ブレーキ禁止違反、車間距離不保持など、逆あおり運転とみなされる違反の場合は「妨害運転罪」となり、3年以下の懲役+50万円以下の罰金に。さらに「交通反則通告制度」の対象外となり、いわゆる刑事事件として扱われることになります。

 これがエスカレートして後続車の乗員に怪我などがあれば「危険運転致死傷罪」が適用されるケースもあり、負傷させただけでも懲役15年という非常に厳しい罰則となっています。

 それでは、自分が追いつかれた車両となってしまった場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。

 法律的にもマナー的にも追いつかれた車両の義務を果たすためには、安全な場所で左側に寄せて停車し、後続車に追い抜いてもらうのが一番です。

 左側に寄せるときに左ウインカーを出すと後続車へ道を譲る合図となり、安心して追い越ししてもらえるでしょう。

 一方、自分が走行中に低速走行で進路を妨害するクルマに遭遇してしまった場合の対処法はどうでしょうか。

 その場合は無理矢理追い越しせずに、車間距離を十分に取ることが大切です。

 そして一般道なら迂回したりコンビニなどの駐車場に退避し、高速道路であればSA・PAに一旦入って避難するのが最善策。無理に追い抜こうとするとあおり運転を誘発する可能性が高く、不要なトラブルを回避するためにも距離をおくのが良さそうです。

※ ※ ※

 走行する速度が遅すぎれば追いつかれた車両になってしまいますし、遅い前走車を無理に追い越せばあおり運転扱いされてしまう可能性もあります。

 もっとも安全なのは、制限速度を意識しながら周囲に合わせた速度をキープして走行することでしょう。

【画像】アナタはやってない? 厳罰化された「あおり運転」ってどんな行為?(12枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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