「みんな同じでしょ?」 トヨタ新型「ノアヴォク」と他社で「荷室アレンジ」ラクなのはナニ? 意外に違う部分とは
2022年1月にフルモデルチェンジしたトヨタのMクラスミニバン、新型「ノア/ヴォクシー」は、荷室のシートアレンジ方法をおおきく刷新し、ミニバンユーザーの間で密かに話題を呼んでいます。ライバル車とはどこが異なるのでしょうか。国産ライバルの2モデルと比較してみましょう。
新型ノア/ヴォクシーとセレナ、ステップワゴン…3列目のシートアレンジが全然違っていた
トヨタ新型「ノア/ヴォクシー」のライバルには、日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」があります。
ともに全長4.7メートル級の扱いやすいボディサイズのなかに3列シートをレイアウト。空間効率の高さが特徴です。
これらのMクラスミニバンはファミリー層を中心に根強い支持を集め、常に激しい販売競争を繰り広げています。
興味深いことにライバル3車それぞれで、荷室のシートアレンジのスタイルが異なります。
なかでも新型ノア/ヴォクシーでは、サードシートの収納方法を大きく変えてきました。
各モデルごとに詳しく比べてみましょう。
●日産「セレナ」
セレナのサードシート(3列目席)は5:5の分割式です。シートを収納し荷室を拡大する場合には、左右それぞれに跳ね上げます。
サードシートを左右で跳ね上げるスタイルは、3列シートのミニバンでは昔から広く採用されているオーソドックスなシートアレンジ方法です。
セレナの場合、まずサードシートのスライド機構で位置を合わせます。あとは席を前倒ししレバー操作で跳ね上げて、ベルトで固定させればOKです。
ダンパーが補助してくれるので、跳ね上げにも大きな力はいりませんが、ベルトの装着には少し力とコツを要します。
セレナの特徴は、跳ね上げた際に自動で収納位置が下がる点。これにより後方左右窓の視界を妨げません。
●トヨタ 新型「ノア/ヴォクシー」
新型ノア/ヴォクシーも、オーソドックスな5:5左右跳ね上げ式のサードシートですが、ここに新たな工夫を取り入れました。
それが「ワンタッチホールドシート」です。
サードシート下のロック解除レバーを引くだけで、背もたれの前倒しから跳ね上げまでワンタッチ。シートの脚も自動で収納されます。
面倒なベルト操作もなく、壁面にカチッとロックするだけで固定できます。
実際に試してみると、なんでこれまでなかったんだろうと思うくらいカンタンで驚きます。
セレナとは異なり左右窓面に収納されますが、シートの薄型化により、荷室の壁面にすっきりと収まっています。
●ホンダ「ステップワゴン」
ステップワゴン(5代目、現行モデル)のサードシートは、セレナや新型ノア/ヴォクシーとは異なり、床下収納式です。
2022年春にフルモデルチェンジを実施する新型ステップワゴン(6代目)でも、この方法は継承しています。
シートを前倒ししたうえで180度回転させ、くるりとカンタンに床下へ収納できるのが特徴。
ただし床下の収納スペースには限りがあり、サードシート自体はライバル車に比べやや小ぶりです。
新型ではサードシートのシート高をあげるなどして、従来型よりもかけ心地を改善しています。
サードシートを床下に収納するステップワゴンの利点は、左右に跳ね上がるライバル車に対し、荷室の左右幅がより広く確保できるところにあります。
多くの道具を必要とするアウトドアレジャーの趣味がある人は、所有するアイテムがどのように積めるか、販売店に許可を取り試乗車で事前に試してみるとよいでしょう。
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使い勝手の面でも各社独自の進化を続けるMクラスミニバンですが、販売動向はどうなっているでしょうか。
2022年1月に発売を開始したトヨタの新型「ノア/ヴォクシー」の2022年3月度の販売台数は、自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)調べによると、ヴォクシー7691台、ノア7046台。2モデル合計で1万4737台と、非常に好調な滑り出しをみせています。
首都圏近郊にあるトヨタ販売店の営業スタッフに聞くと、コロナ禍による部品供給遅れの影響が大きく、納期も長引く傾向にあるとのこと。注文を入れた多くのユーザーを待たせていると話します。
新型ノア/ヴォクシーの販売台数はこの先まだまだ伸びていきそうです。
対する日産のセレナも、2016年のデビューからすでに6年目というロングセラーモデルながら、3月度の販売は8022台とこちらも善戦中。
この春にはホンダから新型ステップワゴンのフルモデルチェンジも控え、すでに先行受注が始まっています。
今後もますます激しい販売競争が繰り広げられそうなMクラスミニバン。販売動向にこの先も目が離せそうにありません。
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