国産旧車、約400台が「破壊」の危機に? GT-Rやスープラが壊される? 米国で「不正輸入」が大問題に! 盗難被害の「車台番号」公開!
日本の価値ある旧車が400台も米国に不正輸入されたという事件が発覚しました。これはどのような経緯の事件で、今後この400台はどのように扱われるのでしょうか。
米国フロリダで400台の「不正輸入」が発覚!
アメリカ・フロリダ州にて日本の旧車が400台も不正に輸入されたという事件がありました。
どのような経緯の事件で、その400台は今後どのように扱われるのでしょうか。
アメリカでは製造から25年を経過した自動車はアメリカの保安基準FMVSSに適合していなくても、アメリカ国内への輸入が可能となる制度があります。
俗にいう「25年ルール」と呼ばれる輸入ルールです。このルールは本来、メルセデス・ベンツに代表されるドイツ車が並行輸入(新車)でアメリカに持ち込まれ販売されることを規制するための法律として1988年に成立しました。
その後、あまりにも厳しすぎるということで1998年に緩和策が講じられ、製造から25年経過していればFMVSSに適合していなくてもアメリカへの輸入をOKとする内容に改訂されました。
これが現在の「25年ルール」です。ただし、州によっては25年ルールで米国内への輸入は可能でも、一部の車種では販売や登録ができないケースがあります。
そのルールでアメリカに持ち込まれる少し古い日本車が増え始めたのは2010年前後ですが、とくに爆発的に増えたのが2014年前後で、1989年に発売された日産「スカイラインGT-R(BNR32型)」が製造から25年を迎えるタイミングで、急増しました。
今回、フロリダで発覚した日本旧車約400台の「不正輸入」もこの「25年ルール」が関係しています。
簡単にいうと、「フロリダの輸入販売業者が25年ルール適用とならない日本車の書類等を偽造して日本から輸入し、アメリカ在住の一般ユーザーに販売した」ことになります。
これら400台はタイトルを剥奪(日本でいうところの登録抹消)され、すべてが密輸品(禁制品)
として扱われることになりました。
これら400台は今後どのような扱いを受けるのでしょうか。過去に発生した同様の事件では、法に反したという理由で没収され、その多くが「破壊」されてきました。
貴重な日本の旧車が破壊されるなんてことは考えたくもありませんが、実際、この400台はどうなってしまうのでしょうか。
この事件の取材をしているアメリカの自動車メディア「THE DRIVE」記者のRob・Stumpf氏に聞いてみました。
――400台は今どのような状態にあるのでしょうか?
フロリダ・ハイウェイ・パトロール(FHP)などが、まだ今のところ報告書に名前のない販売業者を調査していると思われます。
レポートに名前が挙がっている400台は、すべて登録が抹消され、タイトルも失効しており米国の道路を合法的に走行できない、保険にも加入できない、などの状態にあります。
――破壊の可能性はありますか?
アメリカではこれまで、この種のクルマを押収し、破壊するなどの措置を講じてきました。
しかし、今回の400台については、現時点ではどの機関も積極的に押収することを表明していません。
押収された後、破壊(粉砕)される可能性がゼロとはいえませんが、何ともいえませんね。
――現在もまだ捜査中でしょうか?
そのようですね。フロリダ・ハイウェイ・パトロール(FHP)は、現在進行中の捜査に関する質問には答えないとのことです。
しかし、FHPと道路安全自動車局(HSMV)には同じ通信機関があり、ある程度の情報を提供することができます。
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