国産初の「チャイルドシート」45年の歴史に幕 愛子さまも使われたタカタ製商品が生産終了のワケ

国産初のタカタ製チャイルドシートが一般向け商品の生産を終了したことを明らかにしました。愛子様も使われたチャイルドシートが45年の歴史に幕を下ろします。

国産初のチャイルドシートが45年の歴史に幕を下ろす

 1977年に国産初のチャイルドシートを世に送り出したタカタ(現Joyson Safety Systems Japan株式会社以下、JSSJ)が一般向けチャイルドシートの生産を終了していたことが明らかになりました。

1977年発売された日本で最初のチャイルドシート 「ガーディアンデラックス」は45年の歴史に幕を下ろす(撮影:加藤久美子)
1977年発売された日本で最初のチャイルドシート 「ガーディアンデラックス」は45年の歴史に幕を下ろす(撮影:加藤久美子)

 タカタのチャイルドシートといえば、歴史の長さもさることながら自動車メーカーが純正品に指定するほど安全性が高く、そして使いやすくメンテナンスにも配慮が行き届いた上質な商品として多くの支持を得てきたことで知られています。

 日本でチャイルドシートの装着義務化が始まったのは2000年4月ですが、タカタが日本で初めて本格的なチャイルドシート「ガーディアンデラックス」を世に送り出したのは1977年12月。

 1977年といえば車両へのシートベルト設置義務はあったものの、着用義務はまだなく運転席・助手席に関しては努力義務のみで罰則もなくシートベルトを着用する人は非常にまれという状況でした。

 タカタは1961年からシートベルトの製造販売をおこなってきましたが、いち早くチャイルドシートを開発、発売した背景にはシートベルトの装着率を上げたい、という狙いがありました。

「子どもがきちんとチャイルドシートに座っていれば大人もシートベルトをつけてくれるのでは?」という思いです。

 タカタがチャイルドシートの製造販売を始めたあと、国内メーカーではカーメイト、リーマン、東海理化、コンビ、アップリカなどがいずれも高い安全性と使いやすさを誇るメーカーの製品が続々と登場し、レーマー(ドイツ)、マキシコシ(オランダ)、グレコ(アメリカ)など世界のトップメーカーのチャイルドシートも日本で販売されるようになりました。

 タカタ製チャイルドシートが人気を得ていた理由は一番に高い衝突安全性能、そして日本国内の工場で生産されていたという安心感と品質の良さにあります。

 国土交通省と自動車事故対策機構が、安全なチャイルドシート選びのために2001年から毎年おこなっている安全性能の評価試験「チャイルドシートアセスメント」においては、タカタ製17機種すべてが最高評価となる「優」を獲得。

 2004年には国内初となる「W優」(乳児・幼児両モードで最高評価『優』)を獲得し、シートベルト固定、ISOFIX、どちらのタイプのチャイルドシートでも「W優」を獲得するなど、その数は国内メーカーで最多を誇ります。

 2001年12月1日にお生まれになった敬宮愛子さまがお使いになっていた2種のチャイルドシートのうちひとつがタカタ製でした(もうひとつはコンビ製)。

 今回の生産終了となった理由について、JSSJの広報担当者は「少子化による需要減少」との回答でしています。

※ ※ ※

 JSSJによると一般向けチャイルドシートの生産は終了しているものの、自動車メーカー純正のチャイルドシートについては今後も生産を続けていくとのことです。

 国内の自動車メーカーの多くがタカタ製チャイルドシートを純正に指定しているのため、ディーラーなどで購入することは可能。

 メーカー純正といってもベースはタカタの一般向けチャイルドシートと同様であるため、たとえばトヨタ純正チャイルドシートでもトヨタ車以外のクルマにも装着が出来ます。(事前に必ず車種適合表で確認してください)

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