生産終了のホンダS660純正アクセサリー 開発担当とドリキン土屋氏に聞くそのガチ度!
作り込んだホイールの「黄金比」は次の商品にも!
続いて松岡さんと土屋さんが二人三脚で作り上げたというのが、MR-R01と名付けられたアルミホイール。これは松岡さんが考える「ホイールもサスペンションの一部」という設計思想から、車体に対してホイール剛性バランスを追求するという、ホイールメーカーも驚いたアプローチで生まれたもの。
「最初は“ホイールの剛性なんて市販車の乗り味に影響しないだろ”って思ってたの。でも鷹栖を走り込んでいくとだんだん違いが分かってきて、“ちょっと硬めのヤツにしてみようか”とかいろいろやったんだけど、剛性が違うホイールを5種類も作るなんて、作るホイールメーカーもホイールメーカーだよね(笑)」と土屋さんは言います。
3日間、鷹栖のテストコースを走り込んだ結果、純正ホイールよりもやや柔らかい「しなるホイール」となったMR-R01。現在ではある程度の黄金比が分かってきたということで、「ヴェゼル(現行型)」や「フィット」、そしてまもなく登場する新型「ヴェゼル」のModulo Xのホイールにもそのノウハウが生きているそうです。
これ以外にも実効空力を意識し、操縦安定性能とデザイン性の両立を目指して開発されたエアロパーツや、軽自動車初となるアクティブスポイラーなどは、車両を設計する段階で台座を組み込む専用スペースを“予約設計”してもらうなど、丁寧に作られたアイテムが盛りだくさん。
もちろん性能向上アイテムだけなく、限られた室内スペースを有効活用する収納アイテムやディティールアップアイテム、ナビゲーションやスピーカーなど、S660をレベルアップしてくれるアイテムが多くラインナップされています。
ただ、S660が名実ともに生産終了となると、これらの純正アクセサリーも補修部品扱いになってしまうそうで、欲しい純正アクセサリーがある場合は早めに注文しておいたほうがよいとのこと。
また、その開発も一旦終了となりますが、「ビート」や「S2000」のように周年のタイミングで新たなアクセサリーがリリースされる可能性はあるとのことで、土屋さんも「やろうよ! ダンパーはいいものができたから、もうちょっと車高落としてバネレートを15%から20%アップしたスプリングを出せば、そのころのタイヤにも負けないいい脚になると思うよ!」と乗り気な様子。
最後にS660が終売となり、世界的に電動化へ向かっていることについて土屋さんは、「たとえ電動車が中心になったとしても、楽しいクルマを作るという我々の使命は変わりません」と心強いお言葉。それに付け加えて、「この人(松岡さん)が何もしないワケないでしょ!?」と話す姿は、土屋さんとホンダアクセスの絆の強さを感じさせてくれるひと幕でした。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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