震度6強「福島沖地震」で大きな亀裂も16時間で「通行止め解除」の東北道 多くの人が驚いた早期復旧の理由とは
世界一の技術力+強い使命感とアツい気持ちが早期復旧の原動力に
――2011年3月11日に発生した東日本大震災のときにも東北道や常磐道は大きな被害を受けました。今回の福島沖地震とはどんなことが違いましたか?
東日本大震災による損傷は東北道、常磐道ともに今回の地震による損傷をはるかに上回る規模でした。
とくに、道路断面がずれて各所に大きな段差ができてしまったことで一般車が通行できるレベルに至るまでには時間が掛かりました。完全復旧までは約2年掛かっています。
※ ※ ※
被害を受けた20路線、延べ854キロ区間については東北自動車道などの主要路線を中心に、3月12日早朝までには緊急車両の通行を可能とするための仮復旧(一部徐行などが必要)をおおむね完了し自衛隊の救援車両などに利用されています。
このときも地震発生から十数時間で甚大な被害を受けた路線含め、800km以上の区間で仮復旧をほぼ完了したていました。
――道路に亀裂が入った写真は衝撃でした。復旧には時間が掛かると思いましたが、8時間半の作業で仮復旧ができたのは、やはり土木工事においても世界一と称される日本の技術力によるものでしょうか?
常磐道も東北道も東日本を縦断する重要な道路です。それが2本とも使えない状態ではいけないと。
NEXCO東日本のスタッフが一丸となって、『いずれか片方でも良いのでとにかく一刻も早く復旧させなくては!』との強い使命感のもとで作業をおこなった結果だと思います。
※ ※ ※
なお、取材した時点(17日夕方)では、東北道は全線通行止めが解除されていたものの、常磐道では常盤富岡IC~山本ICの上下線で通行止めとなっていました。
その後、同日17時30分に常盤富岡IC~南相馬ICの通行止めが解除され、さらに、18日午前4時50分には新地IC~山元ICの上下線が解除されています。
現在(18日午前6時30分)通行止めとなっている区間は、常磐自動車道(上下線)南相馬IC~新地ICの約23kmとなっていますが、こちらも18日中には解除の見込みです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。