三菱「ラリーアート」がついに復活か!? ワークス仕立ての4WDスポーツセダン3選

かつて、日本ではセダンの人気が高く、ベーシックなモデルから高級モデルまで、各メーカーから豊富なラインナップが展開されていました。なかでも高性能なセダンは幅広い層から人気を獲得。そこで、特別に仕立てられた高性能4WDセダンを、3車種ピックアップして紹介します。

往年のハイスペック4WDセダンを振り返る

 近年、日本の自動車市場ではミニバン、コンパクトカー、軽ハイトワゴン、そしてSUVが販売の主力となっており、それ以外のジャンルのクルマは、ラインナップの減少が続いています。

特別に仕立てられたワークスチューンのハイスペック4WDセダンたち
特別に仕立てられたワークスチューンのハイスペック4WDセダンたち

 なかでも4ドアセダンは今も一定のニーズがあることから比較的車種が多いといえますが、1990年代の全盛期とは比べられないほど少なくなってしまいました。

 2000年代頃までセダンは各メーカーとも豊富なラインナップが展開され、さまざまなセグメントのモデルがあり、とくに幅広い層から人気を集めていたのが、高性能なエンジンを搭載したセダンです。

 そこで、特別に仕立てられた往年の高性能4WDセダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」

まさに究極のスポーツセダンといえた「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」

 現在、日産の現行ラインナップでもっとも長い歴史を刻んでいるモデルは「スカイライン」です。

 誕生は1957年で、プリンス自動車の前身である富士精密工業から発売され、3代目以降は日産ブランドのモデルとなり、今の13代目まで系譜が途絶えることなく続いてきました。

 そして1998年には、スカイライン誕生40周年を記念するモデルとして、「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」が発売。

 開発と生産は日産車を知り尽くしたオーテックジャパンが担当し、「R33型」スカイラインGT-Rのシャシをベースに、4ドアのボディパネルを組み合わせ、1969年発売の初代以来となる4ドアセダンに仕立てられました。

 外観はスタンダードなR33型セダンと異なりワイドボディ化され、2ドアのブリスターフェンダーを4ドアで再現するため、リアドアとリアフェンダーは新たに製作。

 また「R32型」から定番となっていた大型リアスポイラーは装着されず、フロントスポイラーもスタンダードなR33型スカイラインGT-Rよりも小型のものを装着するなど、派手さを抑えたハイパフォーマンスセダンとなっていました。

 最高出力280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボ「RB26DETT型」エンジンや、5速MTのトランスミッション、「アテーサET-S」4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどは2ドアのスカイラインGT-Rから移植されました。

 内装ではインパネまわりは2ドアと同じデザインとなっていましたが、リアシートは専用のバケットタイプで、乗車定員は4名とされるなどあくまでも4ドアスポーツカーという仕様でした。

 スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは、発売から2年に満たない1999年に生産を終了し、今では希少なモデルとして注目されています。

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●三菱「ギャランフォルティス ラリーアート」

ほぼ「ランエボX」といえるほど秀逸なメカニズムを採用していた「ギャランフォルティス ラリーアート」

 三菱の高性能セダンを代表する「ランサーエボリューション」シリーズは、1992年に誕生し、2007年に発売された「ランサーエボリューションX」をもって歴史に幕を下ろしました。
 
 シリーズ最後のランエボXはまさに究極の進化形モデルといえましたが、このランエボXのベースとなった「ギャランフォルティス」にも、2008年に登場した「ギャランフォルティス ラリーアート」という特別に仕立てられた実力派モデルがありました。

 ギャランフォルティス ラリーアートのエンジンはランエボXと同型の「4B11型」2リッター直列4気筒ターボで、実用性を考慮して最高出力240馬力にデチューンされ搭載。トランスミッションもランエボXと同じ「ツインクラッチSST」(6速DCT)が組み合わされ、5速と6速のギア比を変更することで高速巡航時の燃費を向上させていました。

 駆動方式はフロントヘリカルLSD+ACD(アクティブセンターディファレンシャル)+リア機械式LSDで構成されるフルタイム4WDシステムを採用。ASC(アクティブスタビリティコントロール)とEBD付ABSを統合制御することで、優れたトラクション性能を実現しつつ、旋回性能と制動性能を高次元でバランスしていました。

 さらに、ACDの制御は、乾燥した舗装路に最適な「TARMAC(ターマック)モード」、濡れた舗装路や滑りやすい未舗装路に適した「GRAVEL(グラベル)モード」、雪道に適した「SNOW(スノー)モード」の3モードを選択可能とするなど、「スーパーAYC(アクティブヨーコントロール)」が搭載されていない以外はランエボXと同等のメカニズムでした。

 外観は専用デザインのフロントバンパー、エアダクト付きのアルミ製ボンネットフード、デュアルマフラーなどが装着され、派手さは控えめながらしっかりと高性能モデルであることを主張していました。

 ギャランフォルティス ラリーアートは走りの性能が高く評価され、実用性も高いオールマイティなセダンでしたが、2014年に一代限りで生産を終了しました。

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●マツダ「マツダスピード アテンザ」

スタイリッシュなボディにハイスペックなエンジンを搭載した「マツダスピード アテンザ」

 現在、マツダのラインナップでフラッグシップとなっている「マツダ6」は、大型のセダン/ステーションワゴンながらMT車をラインナップするなど、スポーツマインドあふれる異色のモデルです。

 このマツダ6は2019年まで「アテンザ」の名で販売され、2002年に初代が誕生しました。

 初代アテンザは4ドアセダン、5ドアハッチバックセダン、ステーションワゴンの3タイプのボディバリエーションを設定し、2005年には4ドアセダンをベースとした高性能モデルの「マツダスピード アテンザ」が登場しました。

 外観はヨーロピアンな雰囲気が漂う流麗なフォルムで、専用デザインの前後バンパーとサイドステップ、小ぶりなリアスポイラーを装着し、大径の左右2本出しのマフラーによって高性能さを控えめにアピールしていました。

 エンジンは最高出力272馬力を誇る新開発の2.3リッター直列4気筒直噴ターボを搭載し、トランスミッションは同じく新開発の6速MTのみで、駆動方式は「電子制御アクティブトルクコントロールカップリング4WD」が採用されました。

 このパワーに見合うように、ボディ各部の剛性、サスペンション特性、ブレーキ性能などが最適にチューニングされ、ハンドリング性能の向上も図られました。

 マツダスピード アテンザはシックな印象ながら高性能という「通好み」のコンセプトでしたが、2008年に2代目アテンザが登場すると全車自然吸気エンジンにスイッチされ、消滅してしまいました。

※ ※ ※

 2代目に紹介したギャランフォルティス ラリーアートは、「ラリーアート」の名を冠した最後のモデルでした。

 ラリーアートは1984年に三菱のモータースポーツ活動をサポートする関連会社として設立され、その後、パリ・ダカールラリーやWRCなどに本格参戦に携わり、さらに市販車用チューニング/カスタマイズパーツの開発と販売を担いました。

 しかし、三菱のモータースポーツ活動は2005年のWRC撤退を期に縮小され、ラリーアートも2010年には実質的な活動を終え、ブランドの名を使ったグッズも2018年以降は見られなくなります。

 そして、かねてから宣言されていたとおり、2022年3月17日にラリーアートブランドが復活。「アウトランダー」「エクリプスクロス」「RVR」「デリカ D:5」各車専用のエアロパーツやアクセサリー、汎用パーツ類、アパレル商品などを皮切りに発売されました。

 今後、ラリーアートチューンのコンプリートカーやチューニングパーツ復活にも、大いに期待できます。

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2件のコメント

  1. ブランド復活したのは良いが
    今後どういった展開を模索したるんだろう
    パーツ販売とアフターサービスを担ってきたテスト&サービスや
    三菱が子会社としていた(株)ラリーアート自体を事業上どうする扱っていくのか?
    安易に新規のパーツ売り出しただけじゃ本当に復活したとは喜べませんね。

  2. ドイツ製のクルマ、日本製の軽・コンパクト・ミニバン・SUVブームの人気は良く分かるけれど。日本人の皆様が日本のセダン好きの人のファンが、大勢います。高級フラッグシップセダンは、高くて買えないし、金がかかる、僕達が底で考えたのは、令和のアッパーミドルセダン・ミドルセダン・コンパクトセダン・サブコンパクトセダンの復帰を叶えたいです。セダンタイプの営業車では、会社タクシー、個人タクシー、ハイヤー、オーナータイプ。セダンタイプのビジネス、ベーシック、ラグジュアリー&エレガンス、プレミアム、スポーティーセダンのレーシング、ラリー、ダートラタイプ。海外でもクーペタイプの4ドアセダンや3ボックスタイプの4ドアセダンもあります。日本のセダンの復権も願いたいです。

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