ついに「スーパー耐久2022」開幕へ GR86/SUBARU BRZはどう戦う? 開発-テストで見えた両者の課題とは

2022年3月19日-20日、2022年スーパー耐久シリーズの開幕戦が鈴鹿サーキットで開催されます。「カーボンニュートラル燃料を用いた先行開発車両」として投入される「GR86」と「SUBARU BRZ」の実戦デビューを前に両者の開発責任者はどのような心境なのでしょうか。

順調に進んでいるSUBARUだが…未知数の「鈴鹿」への不安も

「GR86」と「SUBARU BRZ」の「カーボンニュートラル燃料を用いた先行開発車両」の実戦デビューが迫っています。
 
 2022年2月23日にスーパー耐久の公式テストがおこなわれてから約1か月、どちらのチームも着実に準備は進められているようですが、期待と不安でいっぱいだと思います。
 
 そこで両チームの開発責任者(GR:藤原裕也氏/SUBARU:竹内源樹氏)に、開発からテストの総括と開幕戦となる鈴鹿大会への意気込みを聞いてみました。

「GR86」(上)と「SUBARU BRZ」(下)が「カーボンニュートラル燃料を用いた先行開発車両」として投入されるスーパー耐久。開幕戦は3月19日-20日に鈴鹿サーキットで開催される
「GR86」(上)と「SUBARU BRZ」(下)が「カーボンニュートラル燃料を用いた先行開発車両」として投入されるスーパー耐久。開幕戦は3月19日-20日に鈴鹿サーキットで開催される

 まずは2月15日の合同テスト(以下シェイクダウン)/2月23日の公式テストで順調にメニューをこなしていた「Team SDA Engineering」の竹内源樹氏です。

――シェイクダウン、公式テストでは順調にテストメニューをこなしているように見えましたが、どうでしたでしょうか?

 竹内:どちらもトラブルが出ないか不安ばかりでしたが、想定していたメニューをこなせています。

 サスペンションセットも方向性は見えてきましたし、カーボンニュートラル燃料のデータもシッカリ取れています。

――マシンの進化はどうでしょうか?

 竹内:GRは結構手が入っていますが、我々は量産車技術の延長線でどこまで対応できるかを試している、探っている状態です。

 例えばレースでは当たり前のノウハウも、メーカーとしては「速くなればOK」ではなく「技術として残す」ことが大事なので、全て検証しながら進めています。

――公式テストのベストタイムはGR86の1分53秒454に対して1分55秒19と差が出ている状況です。

 竹内:素直に“速い”と思いました。ただ、我々も「(レースマシンとして)どんなドライバーでも乗りやすい」という目標に対して、まだまだ足りていませんので、そこは詰めていきます。ただ、我々には鈴鹿の知見が無いので手探りですね。

――公式テスト後、プライベートでのテストはおこなっているのでしょうか?

 竹内:サーキットという意味ではおこないませんが、我々のマシンはSKC(スバル研究実験センター)で製作しているので、テストコースを走らせることはできます。

 そのなかでさまざまな確認をおこなっています。すでに公式テストでの課題は確認済みでデータも取っています。サスペンションの仕様も地道に進めています。

――公式テストでは日中はガソリン、夜間はカーボンニュートラル燃料を使用していましたが、性能差をはじめとする課題などは?

 竹内:タイムは大きな差もないですし、ドライバーからのフィードバックも良いです。

 ただ、ベンチテストでは課題を確認できていますが、リアルでは「課題が出し切れていない」という懸念があります(笑)。

――この辺りはGRとはやり取りは?

 竹内:燃料開発は協業で進めている部分なので、お互いの悩みは共有しています。

――それ以外の課題はありますか?

 竹内:トランスミッションはトラブルが起きないようにコントロールしていますし、エンジンもどこが限界かを見極めている状態ですね。ただ、開幕戦は5時間耐久、そこまではまだ走っていないので。

――公式テストから見た目の変化などは?

 竹内:すでにカラーリングも済んでいるので、フロントウィンドウに貼る大会メインスポンサーENEOSのステッカー(通称ハチマキ)が追加されるくらいで、変更はありません。

――ぶっちゃけ、GRのことは何をどれくらい知っているのでしょうか?

 竹内:安全に関する部分は協調領域ですが、それ以外の部分は……。

 速さに関する部分は絶対に秘密ではありませんが、GRの藤原さんと常に探り合いです(笑)。

――GRとガチンコで戦うことについて、どのように思われてますか?

 竹内:正直チームのなかでも思い悩むことはあります。人材育成が主なのでプロセスを抜きにして勝てばいいものでもありません。ただ、負けるのは悔しいですからね……。

――最後に意気込みをお願いします。

 竹内:やはり勝負ですので、忖度なしで挑みたいと思います。

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