新たなドライブコースに!? 吉野川サンライズ大橋が21日開通 「日本最長級のコンクリート橋」になったワケ
徳島南部道の徳島JCT~徳島沖洲IC間が、2022年3月21日に開通します。この区間にある長大橋「吉野川サンライズ大橋」は、なぜコンクリート橋として造られたのでしょうか。
徳島JCT~徳島沖洲IC間が開通
新しいドライブコースが徳島に誕生します。
2022年3月21日、徳島南部道の徳島JCT~徳島沖洲IC間4.7kmが開通。これにより徳島道から徳島南部道の徳島津田ICまでが一本につながり、香川・淡路・関西方面と、徳島市中心部や徳島小松島港方面とのアクセスが向上します。
今回の開通区間で特徴となるのが、吉野川の河口部に架かる「吉野川サンライズ大橋」です。
この橋の長さは約1700mで、連続構造のPC(プレストレストコンクリート)道路橋としては国内最長級といいます。
日本三大暴れ川のひとつに数えられてきた「四国三郎」こと吉野川。川幅が1.3kmにもおよぶその広い河口に、吉野川サンライズ大橋は架けられました。
今回のように長大橋を造る場合、吊り橋や斜張橋、鋼橋など別の構造や材料の選択肢もありますが、なぜPC橋が選ばれたのでしょうか。
それは、この場所ならではの事情がありました。
吉野川河口は広大な干潟が広がり、シギ、チドリ類などの鳥や貝類など多種多様な生き物が生息しています。
そのため、この環境への影響を極力減らせるような橋の構造を検討したところ、PC橋になったといいます。
NEXCO西日本の資料によると、主塔やケーブルが高所にある吊り橋や斜張橋だと、鳥が飛ぶときの障害(飛翔阻害)になることから却下。
鋼橋だと架設に大型台船を使うことになり、川底を掘る浚渫(しゅんせつ)が大規模になるため、これも選択肢から外されました。
このような理由から、浚渫規模が比較的小さいPC橋が採用されています。ただ、吊り橋や鋼橋などと比べると橋脚が多くなるため、施工方法を工夫するなどして支間長(橋脚の間隔)をPC橋としては異例の長さである1スパンあたり130mまで広げています。
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吉野川サンライズ大橋の名前は一般公募され、総数2070点の案の中から選考委員会の審議を経て決定されました。
NEXCO西日本は、この名前にした理由について「吉野川の最東端(河口)に架かる橋で、川に架かる橋でありながら、海からの日の出を臨む橋。場所もイメージしやすく、カタカナの名称も新しい時代を感じさせる。爽やかな朝、夜明け、太陽が昇るというスケールが大きく、上昇志向、徳島の新しい夜明け、飛躍・発展の期待が込められている」と説明しています。
なお、今回開通する徳島JCT~徳島沖洲IC間は、暫定2車線で有料です。この区間の開通により、並行する国道11号、国道55号の渋滞緩和が期待されています。
壁の高さが人間の腰くらいに見えるんだけど、大型車が事故ったら海ポチャするのではないかと。