マツダ「ロードスターRF」はATが最適!? ソフトトップとは異なる“大人仕様”のハードトップの魅力とは
実用性は皆無だけど他車にはない個性がある!
インテリアにもこのキャラクター分けが反映されており、ファブリックシートも似合うロードスターに対し(レザーシートの設定もあり)、ロードスターRFは断然レザーシートが似合う、大人向けの仕様となっています。
国産クーペというくくりでいえば、トヨタ「GR86」・スバル「BRZ」もありますが、両車は「さぁスポーツ!」といった力強さがあります。
一方でロードスターRFにはそこまでの押し出し感はありませんが、高級ホテルの車寄せや高級ブランド店が並ぶエリアにもさっそうと乗り付けられる上品さがあり、MTの忙しいギアチェンジよりスマートなATを駆使したほうが似合います。
だからこそロードスターRFは、ATモデルを選んで間違いがないクーペだといえます。

そして、ロードスターRFのルーフは、ボタンひとつで、なおかつわずかな時間で開閉することができます。
これはオープンカーだけどあまり目立ちたくないという人にはピッタリで、「イケオジ(イケてるオジサン)」を目指している人に最適なスペシャリティカーというわけです。
ちなみに大人な雰囲気のロードスターRFですが、実用性を求めるのは酷な話。小物入れがシートの後ろにあったり、トランクは機内持ち込みサイズのバッグがふたつ積めますが、いま人気のミニバンやSUVに比べたら、収納スペースは何もないに等しいレベルです。
シートのリクライニングも“多少可能”という2シーターモデルで、流行りの車中泊などもってのほかですが、それこそがロードスターRFの個性だといえます。
何かを得るためには何かを犠牲にしなければならず、ロードスターRFの場合はそれが実用性だったというだけ。
実用性を求めるクルマが多い現在だからこそ、その潔さこそ、クーペが魅力的に見える最大の理由だといえます。
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ロードスターRFは、いまどき珍しいほど、乗り手を選ぶクルマといえます。2シーターなので送迎するとしても1名までですし、買い物もコストコで大量に購入した食品を載せるといった使用用途は諦めたほうが良いでしょう。
しかし、それと引き換えに美しいプロポーションと、操る楽しさを手に入れることができるモデルでもあるといえます。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。
































