インパクト大の存在感! 電柱の「トラ柄カバー」はなぜ設置? 謎の「電柱標識板」とは

ほかにもある!道路と私たちを守る安全防止アイテム

 前述したように、電柱標識板は、周囲に電柱の存在を示し、クルマや人と電柱の衝突を防ぐための製品ですが、そのほかにも、公道における安全防止対策の製品は多く存在しています。

 公道での安全防止対策のアイテムのひとつとして挙げられるのが、「支線ガード」と呼ばれる支線を覆う黄色い製品です。

黄色い謎の存在ともいえる「支線ガード」
黄色い謎の存在ともいえる「支線ガード」

 そもそも支線とは、電柱から伸びている、電柱を支えている線のことであり、支線ガードは主に電柱のすぐ脇で目にすることができます。

 黄色のカバーが斜めに伸びた形状となっており、街中でよく見られるため、「これってなんだろう」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。

 では、支線ガードにはどのような役割があるのでしょうか。前出の担当者は、支線ガードの重要性について以下のように話します。

「支線は電柱を支えているため非常に頑強ですが、それと同時に非常に細い作りになっています。

 そのため、万が一クルマや人が支線に勢いよく衝突してしまった場合には、人やクルマをひどく傷つけてしまうという恐ろしい危険性があります。そのような危険性から守るためにも、支線ガードで支線覆っています」

 実際に、支線との衝突による事故の事例はいくつかあります。

 2016年10月には、兵庫県で、白バイから逃走し対向車線を逸脱していたバイクが、対向車線を順走していた別のバイクと衝突し、前者の運転者がその弾みにより前方に投げ出され、支線にぶつかったことにより体が切断された痛ましい事故が発生しています。

 また、2017年12月には、同じく兵庫県で、県道を走行していたクルマが後ろから車線変更してきたクルマと衝突し、押し出された弾みで支線に乗り上がってしまい、クルマが宙吊りになってしまったという事故も起こっています。

 このような事故を少しでも防ぐためにも、支線ガードは公道における安全防止対策には必須の製品であることがうかがえます。

 さらに、支線ガード以外にも、「電柱保護クッション」と呼ばれる、公道における安全防止のための製品があります。

 電柱保護クッションはその名の通り、電柱をガードするためのクッション材であり、これを電柱に巻きつけることによって、クルマとの衝突による衝撃を半減することができます。

 前出の担当者は、この電柱保護クッションがよく使用されている場所について「小学校や中学校などの子供の通りが多い付近や、頻繁にクルマが出入りするお店の駐車場付近に設置されていることが多いです」と話します。

※ ※ ※

 電柱とクルマの衝突事故はいまだに発生しており、2021年5月には神奈川県で、運転者がわき見をしたことによりクルマが電柱に衝突し、電柱が倒れ、片側1車線の道路が通行止めになってしまったという事故が起きています。

 このような事故を避けるためにもクルマを運転する際には、周囲の状況をよく確認することが大切です。

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