まさに「走るシーラカンス」の宝庫! ロシアが誇る珍車3選
日本時間の2022年2月24日午後、ロシアはウクライナに軍事侵攻を開始し、今後、両国の動向に世界中が注目している状況です。このロシアでは旧ソ連時代から盛んに自動車製造がおこなわれており、最盛期には10社近いメーカーがあったほどです。そこで、現在も販売されているロシア製のクルマのなかから、とくにユニークなモデルを3車種ピックアップして紹介します。
よくぞ生き残ったと感心してしまうロシアの珍車を振り返る
1991年にソ連が崩壊してウクライナは独立。これまで幾度もロシアとの関係に問題が生じており、2021年10月から再び緊張が続いていたロシアとウクライナの国境でしたが、日本時間の2022年2月24日午後、ロシアはウクライナに軍事侵攻を開始しました。
すでにロシアはウクライナの軍事施設を中心に攻撃し、ウクライナの大統領はロシアとの断交を表明するなど緊迫した状況が続いており、世界的にも両国の動向に注目が集まっている状況です。
このロシアではソ連時代から国営企業による自動車製造が盛んにおこなわれており、最盛期は10社ほどのメーカーが存在しました。
しかし、ソ連崩壊後には倒産、もしくは欧州メーカーに取り込まれ、現在は5社が存在しています。
このロシア製自動車は日本であまり馴染みがありませんが、欧州を中心に輸出されるなど、世界的に知られているメジャーなモデルもあります。
そこで、現在も販売されているロシア製のクルマのなかから、とくにユニークなモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●ラーダ「ニーヴァ レジェンド」
日本でも並行輸入で販売されていることから、比較的有名なロシア製のクルマといえばアフトワズ社のラーダ「ニーヴァ」ではないでしょうか。
ニーヴァは今ならコンパクト・クロスオーバーSUVと呼べそうなモデルですが、かつてソ連時代に南極遠征にも使われるなど、高い悪路走破性を誇ります。
誕生は1977年と45年前ですが、ソ連崩壊後も継続して生産がおこなわれており、近年はメカニズムの信頼性や安全性を向上させる改良がおこなわれました。
1998年にはより近代的なSUVの新型ニーヴァが登場し、2020年には第2世代が発売され、現在は「ニーヴァ トラベル」の名で販売していますが、旧ニーヴァも並行して販売されており、2021年1月以降は「ニーヴァ レジェンド」に車名が変わりました。
ニーヴァ レジェンドのボディは3ドアと5ドア、5ドアをベースにしたダブルキャブ・ピックアップトラックの3タイプがあり、さらに3ドアにはオフロード性能を高めた「ニーヴァ ブロント」がラインナップされています。
3ドアのボディサイズは全長3640mm×全幅1680mm×全高1640mmとコンパクトな設計で、最低地上は200mmと余裕ある設定です。
室内は4人乗りで、デザインや装備はシンプルながらパワーウインドウ、パワーステアリング、エアコン、シートヒーターなどの快適装備が充実しています。
エンジンは最高出力83馬力の1.7リッター直列4気筒のみで、トランスミッションは5速MTが組み合わされ、最高速度142km/hと性能は前時代的ですが、駆動方式はセンターデフロックを装備したフルタイム4WDシステムを採用。
45年もの超ロングセラーのニーヴァですが、アフトワズがルノー傘下のため、近々ルノーが主導した新型車が登場すると目されています。
●ワズ「SGR」
前出のアフトワズ社はロシア最大の自動車メーカーですが、もうひとつメジャーなメーカーがワズ(UAZ)です。
ワズは1941年に設立され、第2次世界大戦中は主にトラックなどの軍用車や砲弾を製造していました。
戦後は主にトラックやバン、マイクロバスを生産しており、1991年のソ連解体後は民間会社としてロシア経済を支える重要な企業のひとつに成長しました。
現在は、近代的なSUVとトラックが主力となっていますが、民営化以前の1965年に誕生した「452」というワンボックスタイプのオフロードモデルが、日本でも知られているモデルです。
ロシア国内で「SGR」、欧州など他国では「クラシック」の車名で販売されており、ラダーフレームのシャシに、ワゴン、バン、シングルキャブ/ダブルキャブのトラックなど、多彩なボディが架装されています。
外観は丸みを帯びたデザインで、フロントフェイスは丸目2灯のヘッドライトと小ぶりなフロントグリルによって、かわいらしい印象です。
ワゴンのボディサイズは全長4363mm×全幅1940mm×全高1900mmとかなり大柄で、搭載されるエンジンは最高出力112馬力の2.7リッター直列4気筒ガソリンに、トランスミッションは5速MTのみ。最新モデルではユーロ5の環境性能に対応しています。
駆動方式は副変速機付きのパートタイム4WDを採用し、オプションでデフロックが装備可能で、足まわりは前後リーフスプリングのリジットアクスルとされるなど、堅牢でオフロード走行に特化していますが、昔から進化していないという見方もできます。
内装もかなりシンプルで、インパネにはセンターにスピードメーターが設置され、周辺にスイッチ類と1DINのオーディオスペースがあるのみですが、極寒の環境での使用を考慮して、2020年モデルからシートヒーターが装備できるようになりました。
さらに2020年には「SGR エクスペディション」という、大型のガードバンパー、アンダーガード、ルーフキャリア、ウインチなどが装備された7人乗りの「探検仕様」が追加されました。
SGRは誕生からフルモデルチェンジすることなく57年間も経っており、現代のクルマと比べて動力性能や安全性能は大きく劣りますが、シンプルかつ頑丈なモデルとして現役を続行するようです。
●ワズ「ハンター」
もう1台、ワズが作るユニークなモデルが「ハンター」です。前身となったモデルはゴーリキー自動車工場社が開発し、1972年から生産された「UAZ-469」で、ハンターは民生用のモデルとして発売されました。
軍用車に由来するハンターは過酷な条件下で本領を発揮する4WD車として信頼性と耐久性を重視。
外観はステーションワゴンタイプの5ドアで、キャビンは直線基調のスクエアなフォルムながら、フロントフェンダーからリアフェンダーまでのボリューム感を表現したデザインが特徴的です。
また、フロントフェイスは鉄板をプレス成形したパネルに丸目2灯のヘッドライトと、クラシカルなデザインを採用しています
ボディサイズは全長4050mm×全幅1775mm×全高1950mm、最低地上高は210mmとコンパクトで、さらにグリルガードや本格的なオフロードタイヤを装着した「ハンター アドベンチャー」では、最低地上高が241mmまでリフトアップされています。
内装はかなりシンプルで快適装備はヒーター程度ですが、メーター類は充実しており機能的です。
一方、エンジンは近代的で、最高出力134馬力の2.7リッター直列4気筒DOHCを搭載し、トランスミッションは5速MT、駆動方式は副変速機付きのパートタイム4WDのみとなっています。
ハンターも超ロングセラーのモデルのため安全性能は現代のモデルと比べものにはなりませんが、クラシックなクロカン車が新車で販売されているのは大いに魅力的です。
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今回、紹介した3車種は日本にも並行輸入されており、新車で購入することも可能ですが、ロシアとウクライナは予断を許さない状況で、今後どうなるかは予測不可能です。
また、遠く離れた日本でもすでに原油先物価格の上昇や株価の下落など経済面に影響が出ており、さらに影響の拡大も懸念され、早期の平和的解決が望まれます。
スピード狂ではないので、日本でも軽のワンボックスで車高を上げたやつがあるなら欲しいですね。最近はゲリラ豪雨も珍しくないですし、最低地上高が10とか15とかじゃ豪雪ですぐに亀さんになりますよ。
ワズハンターアドベンチャー欲しいと思った。
恐ロシア問題が解決したら真面目に入手方法を考えたい。
兎に角、モデルチェンジサイクル早い車は大嫌いだから。