もはや激レアな存在!? 200万円台で買える最新国産スポーツカー3選

昭和から平成にかけては、比較的安価なスポーツカーやスポーティな高性能がたくさんありました。しかし、近年はニーズの変化から激減。そこで、今でも200万円台で手に入る魅力的な国産スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

200万円台の魅力的な国産スポーツカーを振り返る

 1980年代から2000年代頃まで、走り好きの若者がチョイスするクルマの定番だったのが、比較的安価なスポーツカーやコンパクトな高性能車でした。

200万円台で販売されている最新の国産スポーツカーたち
200万円台で販売されている最新の国産スポーツカーたち

 実際に、かつては各メーカーから、若者でも手が届くスポーティなクルマが数多くラインナップされていました。

 しかし、2000年代以降はニーズの変化からスポーツカーが減っていき、現在では安価なモデルはほとんど残っていません。

 しかし、車種ごとのグレードによっては、かなり魅力的なモデルもまだまだ存在します。

 そこで、200万円台で手に入る魅力的な国産スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ロードスター 990S」

新たに加わったドライビングプレジャーあふれる特別仕様車の「ロードスター 990S」

 マツダは2021年12月16日に、オープン・ライトウエイトスポーツカーの代表的存在である「ロードスター」の一部改良を発表しました。

 それと同時にデビューした魅力的な特別仕様車が「ロードスター 990S」です。

 990Sはベーシックモデルの「S」グレードをベースに開発され、車名は990kgの車重に由来し、車検証上の重量はSグレードと変わりませんが、各部がファインチューニングされたモデルとなっています。

 まず、足まわりではRAYS製鍛造16インチアルミホイールの採用によって1本あたり約800gの軽量化を図り、フロントブレーキはブレンボ製大径ベンチレーテッドディスク&ブレンボ製軽量対向4ピストンキャリパー、リアブレーキは大径ブレーキローターが装着され、旋回性能と制動性能を強化しつつバネ下重量の軽減を実現。

 さらに、ショックアブソーバーの減衰力、コイルスプリングのレート、電動パワーステアリングのセッティングが990S専用で、1.5リッターエンジンのスペックは変わっていませんが、制御プログラムを軽量な990S用に改訂し、走りの質もグレードアップしました。

 また、全グレード共通ですが、新たな車両姿勢安定化技術の「KINEMATIC POSTURE CONTROL(キネマティック・ポスチャー・コントロール:KPC)」を採用しました。

 KPCは横Gが強めにかかるようなコーナリングの際に、リアの内輪側のブレーキをわずかに作動させることで、ロールを軽減しながら旋回姿勢をより安定させる技術で、ハードウェアはそのままのため従来モデルからの重量増もまったくありません。

 コーナリング時のドライブフィールは助手席でも体感できるほど向上しているといい、ロードスターの最大の特徴である「人馬一体」の走りはさらに磨きがかかりました。

 そのほかの990S専用装備として、ソフトトップや内装パーツの一部、ブレーキキャリパーなどに、爽快感のあるブルーのカラーが使われています。

 ロードスター 990Sの価格(消費税込、以下同様)は289万3000円で、トランスミッションは6速MTのみです。

 なお990Sの受注は好調で、すでに最量販グレードとなっており、ソフトトップモデルの受注台数のうち3割を占めているといいます。

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●ダイハツ「コペン GRスポーツ」

シャシから足まわりに至るまでチューニングされた「コペン GRスポーツ」

 2002年に初代が発売された軽オープンカーのダイハツ「コペン」は、軽快な走りと手軽にオープンエアドライブが楽しめ、維持費の安さも相まって人気を集めました。

 そして、2014年には2代目が登場し、「ローブ」「セロ」「エクスプレイ」という世界観の異なる3タイプが設定されていましたが、2019年に第4のモデルとして「GRスポーツ」が加わりました。

 エンジンとトランスミッションはそのままですが「TOYOTA GAZOO Racing」の協力によるファインチューニングが各部に施されています。

 外装はフロントフェイスやリアまわりのデザインがGRスポーツ専用で、BBS製鍛造ホイールを標準装備し、内装ではレカロ製シート、MOMO製ステアリングホイール、GRロゴを配置したメーターなどが採用され、スポーツマインドあふれる装いとなっています。

 シャシまわりでは、フロントブレースとセンターブレースを追加して補強することで、ステアリング操作に対する応答性が向上。この高剛性ボディに合わせ、サスペンションのスプリングとKYB製ショックアブソーバーも専用セッティングとされ、デファレンシャルギヤにはLSDを標準装備。

 また、専用チューニングした電動式パワーステアリングは、高い応答性と正確な操舵フィールを実現しています。

 価格はCVT車が238万2200円、5速MT車が243万7200円と、軽自動車としては決して安くはありませんが、装備やチューニング内容をからすると、十分に価値ある価格だといえるでしょう。

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●トヨタ「GR86 RC」

コンペティション用ながら普段使いも可能でカスタマイズベースにもなる「GR 86 RC」

 トヨタは2021年10月28日に、2代目となるコンパクトFRスポーツカーの新型「GR 86」を発売。初代が「86」だったのに対し、2代目はGRブランドの名が冠されました。

 初代と同様にスバルと共同開発され、外観はキープコンセプトながら車体剛性の大幅な向上や、エンジンが2.4リッター水平対向4気筒に排気量アップされるなど、走りのポテンシャルは大きく向上しました。

 グレード構成はトップグレードが「RZ」、中間グレードの「SZ」、そしてモータスポーツベース車でありカスタマイズベースにも最適なエントリーモデルの「RC」がラインナップされています。

 RCは初代にも設定されていましたが、未塗装のバンパーやエアコンを設定していないなど、完全にレースでの使用を前提としたストイックなグレードでした。

 一方、2代目RCでは、交換を前提とした16インチのスチールホイールが装着されていますが、それ以外に他グレードとの外観の差はわずかで、内装も素材がダウングレードされているものの、オートエアコンや「BOXERメーター(7インチカラー+LCD 液晶メーター)」を装備し、シートもSZと同じです。

 エンジンスペックは変わらずトランスミッションは6速MTのみで、トルセンLSDを標準装備し、足まわりを含めシャシまわりの仕様も上位グレードと同等となっています。

 それでいて価格は279万9000円と、自分好みにカスタマイズして楽しむには最良のグレードです。

※ ※ ※

 この価格帯のスポーツカーというと、世界的にも激減してしまいました。それだけニーズの変化が顕著だということでしょう。

 日産新型「フェアレディZ」の登場など高額かつ高性能なスポーツカーは比較的現存していますが、GR 86の発売や、ロードスターに新たな仕様が加わったのは、もはや奇跡といっても過言ではありません。

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