長時間駐車は積雪に注意! 寒さをしのぐためにエンジンかけっぱなしでOK? クルマの冬対策とは
降雪時はクルマに雪が積もってしまったり、気温が低下するとフロントガラスが凍結したり、冬は走り出すまでにさまざまな準備が必要です。そんなクルマの冬対策を紹介します。
雪や氷、霜でクルマが凍る! 冬のクルマはいろいろ大変!
冬は夜間に気温が低下するとクルマのフロントガラスが凍ったり霜が降りたりして、翌朝にいざクルマに乗ろうと思っても、氷や霜を除去してからでないと走り出せないことがあります。
また、雪が降ったときも、クルマに積もった雪を下ろす必要があるなど、冬はなにかと準備が必要です。
積雪地域に住んでいなくても、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツをするために夜中に出発し、深夜にスキー場の駐車場で車中泊する人もいますが、雪が降っている夜間に駐車するときはどうするのが正しいのでしょうか。
深夜から朝にかけて車内で仮眠をとるときに悩ましいのが、エンジンをかけたままにしておくべきかという問題です。
アイドリング中は燃料の消費が心配なので、エンジンを止めて寝袋などで寒さをしのぐほうが良いのでしょうか。
スキーで国体に出場経験のある、栃木県のT整備士は次のようにいいます。
「スキー場などがある山岳部では、場所によっては気温が氷点下になることもあり、車内は寝袋では我慢できないほど寒くなり、低体温症になる危険性もあります。
ここはエンジンを動かしヒーターを効かせて寒さをしのぐのが正解です」
また、雪が降るなかでの駐車においてもっとも気を付けたいのが、クルマに積もる雪をどうするかということです。
気が付けば雪でクルマが半分以上埋れてしまうということも起こり得ますが、そんな事態に備えて最低限常備しておきたいのがスコップやスノーブラシ、長靴(または防水性のある靴)です。
「スキー場の駐車場などは基本的に吹きさらしのことが多く、雪を避ける屋根などないのでクルマやその周辺に雪が積もり、そのまま放置しているとドアが開かずに閉じ込められてしまうこともあります。
雪かきや雪下ろしをするためのスコップやスノーブラシ、雪の中で作業しても足元が濡れない長靴は最低限必要です」
そして、車内で仮眠をしている間も、数時間ごとにクルマに積もる雪や周辺の雪を取り除く必要があります。
ガソリン車やディーゼル車の場合、マフラー周辺の雪かきは必須。排気ガスが車内に溜まってしまうと一酸化炭素中毒で死亡することもあるので、マフラー周辺に排気ガスが逃げる空間を確保することが必要です。
「またワイパーを立てられる場合、凍結を防ぐためにもできる限りウインドウから離しておきたいです。
雪は想像以上に重いので、積もった雪を払おうとしてワイパーを作動させると損傷してしまうこともあります。スノーブラシなどを使って手でできる限り雪を取り除いてから、ワイパーを使用しましょう」
またよく聞くのが、寒冷地で駐車するときはパーキングブレーキを掛けないほうが良いということです。それはなぜなのでしょうか。
「以前からあるワイヤー式パーキングブレーキはフロア下に露出しているため、付着した雪などが凍結して解除できなくなる恐れがあるからです。
ドラム式ブレーキではワイヤーが戻っても、ブレーキライニング(摩擦材)などが凍ってしまうこともあります。
またディスクブレーキ装着車でもパーキングブレーキに関してはドラム方式を採用している車種もあるので、雪中の駐車では使用しないほうが良いでしょう。
AT車の場合は『N』か『P』レンジに入れ、車輪止めをするのが正解です」
つまり、「車中泊中はエンジンもヒーターもかけっぱなしで切らない」「マフラー周辺やドアまわりの雪かきを定期的におこなう」「パーキングブレーキは使用しない」といったことが基本的な対策ということになりそうです。
スキー場などでの仮眠だけでなく、万が一雪のなかで立ち往生して長時間クルマのなかで過ごさなければならないという事態になってもこれら対策は有効です。
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