長時間駐車は積雪に注意! 寒さをしのぐためにエンジンかけっぱなしでOK? クルマの冬対策とは
凍結したクルマはお湯とビニール袋で解凍できる!?
寒い冬にクルマを利用するためのアイデアにはどのようなものがあるのでしょうか。さまざまなジャンルの人たちに実践していることを調査。
冬に使えるさまざまなアイデアを紹介します。
●ビニール袋に入れたお湯でウインドウの霜取り
釣具メーカーで開発を担当しているFさん(50代)のアイデアは、極寒のなかでも釣りに出かける人ならではの、ちょっとした裏技です。
「フロントガラスなどが凍結してしまうと、デフロスターを作動させもすぐには溶けません。
直接お湯をかけるとガラスが割れる恐れがあるので、そんなときは薄いビニール袋にお湯を注ぎ、ウインドウを撫でるんです。すると霜や氷が意外にかんたんに取れます」
お湯は立ち寄ったコンビニなどで入手可能ですし、レジ袋は有料化されましたが、これもコンビニなどで入手可能です。
車内でゴミ袋にもなりますし、最悪、緊急トイレとしても使えるので、ビニール袋を常備しておくと良いでしょう。
●夜間駐車前5分から10分は内気循環&ヒーター全開
前出のT整備士が住むエリア(栃木県)は、冬は積雪がそれほどないものの、朝方は氷点下になることから常にクルマが凍結しているといいます。
そんなT整備士がおすすめするアイデアは、前の日からおこなう対策です。
「個人的に実践しているのは、仕事帰りに家の駐車場に到着する5分から10分前に内気循環モードでヒーターを全開にすることです。
少しでも車内温度を高めておくことで、次の日の始動性が少し良くなる気がしています。
また建物や植え込みのある方向にフロントウインドウを向けておくことで、凍結具合に差が出るようです」
冷え切ってエンジンの始動性が下がってしまうのは、オイルの温度も低下しているためということもあり、ならば駐車前に(また冷えるにしても)オイル類も温めてからの駐車のほうが始動性は良さそうということで、T整備士は毎日実践しているそうです。
●エンジンを止める前に電装系をオフにする
さらにT整備士は、クルマを降りる際に、電装系をオフにしているといいます。
エアコンのスイッチを入れっぱなしにしていたり、オーディオやナビゲーションをつけっぱなしにしておくと、次に乗るとき、エンジン始動で余計な電気を使ってしまいます。
電気を使う「エンジンの始動」に十分な電力を回すためなのだとか。
「できる限り切れるスイッチはオフにしてから駐車しています。これだけでも次にエンジンを始動させる場合、スパークプラグに流れる電圧が少しは違うと思います」
●家庭用断熱シートをクルマにも利用する
駐車中の冷気は、やはりウインドウのガラス面からジワジワと入ってくることから、車中泊に慣れた多くの人が愛用しているのが「断熱シート」です。
長野県の某スキー場にてパトロール隊員をしているIさん(50代)は、ホームセンターなどで販売されている安価な家庭窓用の断熱シートをクルマにも利用しているといいますが、車中泊はもちろん、長時間の駐車にもかなり効果があるそうです。
「私が愛用しているのは、家の窓に貼り付ける断熱シートです。結露を防ぎつつ何度でも貼ったり取ったりができるので重宝しています。
長野ではマイナス10度以下になる日も多いのですが、断熱シートのおかげで車内温度が10度以上も違ってきます。なにより安価なので、懐にも優しいのが魅力です」
この断熱シートは夏でも効果があるそうで、車内温度の上昇も抑えてくれるそうです。
※ ※ ※
裏技ではないのですが、覚えておきたいことがあります。それはディーゼルエンジンで使用する軽油に関してです。
軽油は気温が低い地域で長時間駐車していると凍結してしまうことがあるのです。正確には「凍る」のではなく、「粘度が高まる」のですが、T整備士は次のようにいいます。
「揮発性の高いガソリンに対し、軽油は低温では着火しにくい特性を持っています。そして軽油は5種類あり、地域や季節によって異なります。
通常は『2号』と呼ばれる軽油が全国で販売されているのですが、気温が低下するとポンプから燃料がスムーズに供給されなくなってしまうので、『3号』または『特3号』と呼ばれる寒冷地仕様の軽油に入れ替える必要があります」
たとえば、スキーに行くために4WDのディーゼルエンジン車をレンタルすると、都市部で借りたときに入っている軽油は2号なので、寒冷地ではうまく燃料が供給されなかったり、駐車後にエンジンが再始動しなかったりすることもあるのです。
「そういった事態を避ける方法としては、スキー場までには入っている燃料を減らして、現地のガソリンスタンドで寒冷地仕様の軽油を給油すると良いです」
高速道路のサービスエリアに併設されているガソリンスタンドでも、寒冷地仕様の軽油が販売されていることがあります。
スキー場の近くにガソリンスタンドがない場合や、ガソリンスタンドがあったとしても夜中に現地に到着して営業時間外ということもあるので、どこで給油可能かを事前にチェックしてから向かうと良いでしょう。
ちなみに2号と3号では製造コストが違うため、必要のない地域では一般的な2号を販売、必要な地域のみで製造コストがかかる3号を販売して全体の価格上昇を抑えるように工夫されているのだそうです。
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